皆さん、どこまで推敲して投稿しているのか分からないが、僕はカクヨムで書いていた時は結構書いたばっかりの状態でもまあこんなんでいいかと投稿した。
前回までの「長編の書き方」でも書いた通り、物語の途中の段階であまり細かいところを気にかけてもしょうがないかなと思うからだし、これも前に言ったが、考えて時間を止めるよりも勢いのままに書いてとにかく物語自体を前に進めたいと思うからだ。
こんなことを書くと、まるで書きかけの原稿を並べているだけと言ってるようなものだが、実際そんな感じがしないでもない。
ただ、こういう投稿の仕方は読んでもらいたいと思っている書き手の方にとっては、心情的に難しいかなとも思う。
なぜなら、あんまり適当に書けばなんだこれはって、そこで読むのをやめられてしまうし、一度抜けた人は大概二度と戻ってこないからだ。
つまり、カクヨムみたいな小説投稿サイトではPVは常に下降線を辿るということだ。途中で再び上がるということはまずありえない。
とすれば一話一話、毎回勝負ということになるが、こうした状況はずっとタイトロープを渡っているようなもので精神的に非常に辛い。
せっかく投稿したのにPVが減ったり、フォロワーが減ったりすれば、おそらく皆、ええって感じになるだろう。
でも後でいくら推敲して手直ししてももはや手遅れ、逃げた魚は戻ってはこない。
だけど物語の途中で推敲するのは限界があって、本当の推敲は終わってからしかできない。
ということは推敲が終わった真の完成稿は、誰も見ることなくカクヨムの奥の方で眠ってしまうことになる。
僕は推敲が終わったら、新規に投稿しなおしてもいんじゃないかと思う。
確かに一度読んだ人はまた読むことはしないでしょうが、新規作品として出せば新たな読者がついて星(★)だってもらえるだろうし、注目の作品にも掲載されてさらに新たな層を開拓できるかもしれない。それに完成稿なら定期的に投稿できるので、読まれやすいと思う。以前もらったコメントや星(★)も残したいというのであれば旧作の方も消さないでおけばいいだけだし。
何度も言ってますが、星(★)なんて50もらおうが100になろうが何にもならないので、同じ作品を二作並べても別にいいと思うんですよね、自分さえ納得すれば。
まあ、いつまでも旧作にこだわらず、新しい作品書いた方が良いって意見もあるんでしょうけど、やっぱり完成稿を見てもらいたいというのが書き手として本当のところじゃないのかなって気がするんですよね。
でももらった星(★)は惜しい……結局、ここにも星(★)の呪縛がついて回るんですよね。せっかくもらった星(★)を消したくない。この星(★)を積み上げたいっていう。
そう考えると、このカクヨムの星(★)の仕組みは本当に業が深いなと思います。
まあ、カクヨムじゃなくても、完成稿は別なサイトで公開してもいいと思いますけどね。いずれにせよ、カクヨムというところは完成してから投稿するなら別ですが、書きかけのもので評価されてしまう仕組みだということを胸に刻んだ方がいいと思う。
※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動していた際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。