アマチュア作家の面白い小説ブログ

素人作家がどこまで面白い小説を書くことができるか

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説技法】謎の提起 その2

謎にはいろいろなものがある。 人間ドラマにおける、あるキャラクターの秘められた過去。 殺人ミステリーにおけるトリック。 ホラーミステリーなどの正体不明の存在。 こんな感じであらゆるジャンルでいろいろな謎が考えられるが、僕が好むのは現実とリンク…

【小説技法】ファンタジーとリアリティ その3

最近のファンタジー小説は、キャラが完全にゲームテンプレ化しているように感じる。 ラノベの表紙など見ると、どれもこれも、美男美女の勇者、戦士、僧侶、魔法使いなどが描かれ、もはやファンタジージャンルと呼ばれる物語は、こうしたキャラがいないと成り…

【小説技法】ファンタジーとリアリティ その2

ファンタジーには、なんというかゴールがある。 魔王を倒すとか、姫を救い出すとか、まあ、そんな類のものだ。 でもここが肝心なところだが、そのゴールが主人公にとって必然なものであるかどうかということが重要だ。 例えば魔王を倒すとして、どうしてその…

【小説技法】ファンタジーとリアリティ

僕はファンタジー作品が好きだが、好きなファンタジー作品には共通点がある。 それは、深い知識とその作者ならではの新しい要素がきちんと折り合って、奥深い世界観が構築されているかということである。 例えばファンタジーと言えば魔法であり、火の魔法、…

【小説技法】定年

書くことに定年はない。 70過ぎた方が新人賞を受賞することもあり、そういうニュースを聞くと大いに励みに感じる。ぜんぜん焦る必要なんかなく、まだまだ時間はたっぷり残されているんだと感じる。 ただそういうこととは別に、やっぱり文学の歴史、いや、…

【小説技法】闇のある物語

以前、好きな時代と書きたい時代は違うみたいな話をしましたが、それと同様に、書きたいジャンルと読みたいジャンルの違いということを書いてみたいと思います。 僕が書きたいものは何度も言っているように、人間の叫び声が文章の中から聞こえてくるんじゃな…

【小説技法】いつまでも心の中に残り続けるもの

「ぐりとぐら」という絵本がある。 その中で、ぐりとぐらがリュックを背負い、大きなフライパンを持って森の中でパンケーキをつくるという話がある。 大きなボールに卵と牛乳と小麦粉を入れて、持ってきた大きなフライパンで焼き上げるのだ。 そうするといい…

【小説技法】お笑い芸人から学ぶもの

最近、お笑いにはまっている。 一時、内輪ネタばっかりで盛り上がる風潮に飽き飽きして全く見なくなっていたが、嫁さんと娘が「有吉の壁」という番組が好きで、毎回見せられるたびにはまってしまった。 この番組の何がいいって、よくある順繰りに出てきてコ…

『罪と罰』

「(省略)ぼくはただ自分の根本思想を信じているだけです。それはつまり、人間は自然の法則によって二つの層に大別されるということです。つまり低い層(凡人)と、これは自分と同じような子供を生むことだけをしごとにしているいわば材料であり、それから…

【小説技法】書きたい時代

書きたい時代というのがある。 でも、それは好きな時代とは少し違う。 どういうことかというと、例えば僕は例にもれず戦国時代が好きだ。 特に信長に憧れる。 幕末も好きだ。 新選組、特に土方歳三の大ファンだ。 でも、その時代を舞台に書きたいとはあまり…

僕が書く理由 その2

昨日書いたテーマですが、ちょっと言葉足らずだったような気がするので、少し補足したいと思います。 昨日の文章の最後の方で、僕はこう書きました。 エロでも妄想でもざまあでも、そりゃどんな物語を書いたっていい。 でも少なくてもそんなものが、文学の潮…

僕が書く理由

僕が物語を書く理由の一つが、内面から湧き上がる怒りだということは、先日話したかもしれない。 不条理な社会や自分勝手な人間に対する凄まじいまでの怒りだ。 だが、物語を書く理由はそれだけではない。 もし、僕がそれだけを理由に書いたとしたら、僕の書…

【カクヨム】読まれる確率

昨日、ある方からこんなコメントを頂戴した。 ……世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを著者が面白そうだと思う。 世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを読者の一人が面白そうだと思う。 著者の面白そうと読者の面白そう…

僕の中に棲む鬼

僕の中には鬼がいる。 その鬼は普段は出てこないが、自分勝手なやつや、理不尽なものを見ると腹の底からじわじわ昇ってきて、僕を凶暴なまでに一変させる。 そういう心に巣くう鬼が、自分に物語を書かせているような気がする。 おかしいだろ! こんなんで本…

【カクヨム】言葉の力

★★★ Excellent!!! カクヨムビギナーの必読エッセイ カクヨムビギナーでPVの少なさに落ち込み、カクヨム辞めようかなと思っている人がいたら(数日前の私です)、まずこのエッセイを読むことをお勧めします。 カクヨム歴長めの方も勇気付けられる内容かもしれ…

【カクヨム】目的をしっかり持て

目的? どういう意味? って思うかもしれませんね。 でも、これって物凄く大事です。 つまり、あなたは何のためにカクヨムで書いているんですかってことです。 読んでもらうために書いているに決まっているじゃないか! みんなそういうでしょうね。 じゃあ、…

【カクヨム】仲間を見つけろ

一般文芸書いている人がカクヨムで読まれたいというなら、まあ、これに尽きるでしょう。 その前に、一つ大事なことを言っておきます。 いい作品を書けば読んでくれるだろうなどという甘い幻想は捨てなさい。 カクヨムでは良い作品を書いたところで基盤がなけ…

【カクヨム】短編を書け

カクヨムを始めた直後は継続的に投稿した方がいいと以前に書いたと思うが、ストックがないならとにかく書くしかない。 ここで一つ忠告だが、いきなり長編を書くのはやめた方がいい。 長編は大変なエネルギーを要求されるし、読まれないときの心的ダメージは…

本屋大賞と芥川賞

文芸ニュースを読んでいたら、芥川賞や直木賞作品よりも、本屋大賞受賞作品の方が圧倒的に売れるというような記事があって興味深く読んだ。 そもそも本屋大賞が創設されたきっかけの一つは、2002年に横山秀夫さんの書いた「半落ち」という作品が、圧倒的…

【カクヨム】ユーザー層の考察

僕はカクヨムのユーザー層に対して一つの仮説を持っています。 カクヨムのユーザーは2種類に大別される。 書く人と書かないで読む人の2種類だ。 書く人というのは、それぞれいろいろな動機を持っているとは思うが、この連載で何度も取り上げているように、…

ドラマの質の低下

「犬神家の一族」、皆さんも見たことはなくても聞いたことはあるでしょう。 この作品は何回もリメイクされていますが、もし見るなら、1976年の市川崑監督の作品が断トツでトップです。 自分でも小説まがいのものを書いていると、絶世の美女とか貫禄があ…

【小説技法】個性の書き分け

今、執筆中の長編で僕の中で課題にしていることがある。それはキャラの個性を書き分けられるかということだ。 人にはいろいろな個性がある。 勇敢、賢い、優しい、元気、そういういわゆる誰からも好かれるような性格もあるが、頑固、臆病、ずる賢い、自分勝…

【小説技法】長編の終わらせ方

長編をどこで終わらせるかということは、いろいろ議論があるだろう。 ちゃんと終わりを見据えているのであれば何も問題ないが、マンネリになってしまうことも少なくない。 たとえば、北斗の拳という漫画がある。 あくまでも僕個人の意見だが、あれはやっぱり…

【小説技法】群像劇

今、僕が書いている物語は群像劇的な性格を持たせている。 メインキャラは確かにいるのだが、そのキャラの視点だけでない別なキャラの視点での世界観を描きたいと思っているからだ。 だがそういう群像劇を成立させるためには、主人公以外のキャラにもメイン…

【小説技法】ネタづくり

小説のネタというのは至る所に転がっているが、やはり自分が経験したことが一番リアルに書きやすい。 でも、そんな小説のネタになるような体験なんてしてないしなあという人がいるかもしれないが、それは物事を表層的にしか見ないからそういう発想になるんだ…

【小説技法】聖書 その3

僕が聖書に興味を持ち始めた最初のきっかけは、たぶん20世紀の終わりのころだったと思います。その頃、世界が滅びるとかそんな本がたくさん出てましたが(ノストラダムスの大予言とか日本沈没とか)、その中に聖書の黙示録があったのです。 僕は黙示録の世…

『春望』

国破れて山河在り 城春しろはるにして草木深し 時に感じて花にも涙を濺そそぎ 別れを恨んで鳥にも心を驚かす 峰火ほうか三月に連なり 家書萬金ばんきんに抵あたる 白頭はくとう掻かいて更に短かし 渾すべて簪しんに勝たえざらんと欲す 引用:『春望』(作:…

【小説技法】聖書 その2

創世記にカインとアベルという兄弟が出てきます。この二人はエデンを追放されたアダムとイブが生んだ最初の子どもたちです。 このうちカインは畑を耕し、アベルは羊を飼うものとなります。ところが神はアベルの捧げものは受け取ったのにカインの捧げものには…

【小説技法】聖書

僕は別にキリスト教信者でもないし、聖書に造詣があるわけでもありませんが、意外と僕の書く作品には聖書を題材にしたものが多いです。 僕が聖書に惹かれるのは神と呼ばれる存在にあまりに理不尽な点が多いことと、それに振り回される人間たちのドラマが物凄…

【小説技法】推敲

今、書き終わった作品の推敲に時間をかけているのですが本当に難しいです。改めて見ると、だめなところがたくさんありすぎて嫌になります。 今日はどういうところが駄目なのか、少し一般化してご紹介したいと思います。 その一 接続詞が多すぎる これはつい…

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