アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

素人作家がどこまで高みに昇りつめることができるか

(十三)

「白鳥君……」

「……こうして、君を抱きしめているだけで、僕は例えようもなく幸せだよ」

「うれしい……私も幸せです」

「白鳥君、僕の胸に手をあててごらんーーほら、僕の心臓の鼓動が聞こえるかい?」

「はい、博士の心臓が、とくんとくんと鳴っているのが私に伝わってきます――あっ、そんなところに手を入れちゃ……」

「ああ、やっぱりだ、白鳥君、君の心臓も早鐘のように鳴っているよ」

「……恥ずかしい」

「何が、恥ずかしいんだ。それにしても、君は着やせするタイプなんだね。こんなに、胸が大きかったなんだね。これは、Dカップかい」

「もう、博士ったら……そうです」

「やっぱりね――でも、この張りのある形のいいおっぱい……おや、白鳥君、もう乳首がこんなに固くなっているじゃないか。ブラジャー越しにもはっきりわかるよ」

「博士が、そんなに優しく触るからです……」

「白鳥君、もう、我慢できない! さあ、ベッドに行こう」

「……博士……その前に……私、シャワーを浴びたいです」

「シャワーなど浴びなくていいよ」

「だって、ちゃんと洗わないと汚いし……恥ずかしいです」

「君のどこが汚いと言うんだね。僕にとっては君の汗や匂いすら宝物だよ。もう、しゃぶりつきたいくらいだ」

「お願い、博士……」

「……分かったよ。行っておいで」

「はい……入ってきちゃだめですよ」

「そんな子どもみたいなことはしないよ。安心していっておいで」

「すぐ済みますから、待っててね」

「楽しみにしてるよ――ああ、なんて可愛いんだ……まさに、あの小説を思い出すよ。カクヨムにバンされたあの小説を――本当に好きな人とするSEXがどれほど幸福で官能的であるか……今でも諳んじて言えるほどだ。そう、あれはこんな出だしだった……

――俺がSEXという言葉とそれが意味することを知ったのは、いつのことだったろう。
 たぶん、中学一年の時だったと思う。それは、ある日唐突に体の中に生まれ、それ以来、ずっと体の中に棲みつづけてきた。
 10代のころは、SEXという言葉が四六時中頭にちらついていた。いや、とり憑かれていたといっても言い過ぎじゃない。俺の中では女性とはSEXそのものだった。
 胸が膨らんだ女生徒を見るだけで、その制服の下の裸体が頭にちらついた。短いスカートの中の足の付け根の先に何が隠されているのか想像するだけで、下半身が熱くなっていった。
 誰と誰が付き合っているとか、初キッスがどうとか、初めてセックスしたとか、友達がそんな卑猥な話を始めると、俄然、前のめりになり、まるで我がことのように熱心にその話を聞いた――

 

 ……懐かしいよ、あの時代が。
 宝は見つからないからこそ、男の情熱を掻き立てる。宝を見つけてしまったら、男は情熱を失ってしまう。白鳥君を抱いてしまったら、この気持ちがどこかに行ってしまわないだろうか。あの頃のように……」

(続く)

シャワーを浴びる

 

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