アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【小説の書き方について考える】魅力的な世界観

 僕がお金払って小説買うかどうか決める大きな要素の一つに、その作品又は作者に魅力的な世界観があるかどうかということがあります。

 魅力的な世界観?
 首を傾げる人もいるかもしれないし、これは僕しか思ってないかもしれないので、少し説明が必要かもしれません。

 小説とはいわば作者が創造する世界です。
 つまり作者と言うのはその小説を支配する神であり創造主でもあります。
 だから小説には、その作者のこれまで培ってきた経験、知識、そして信念や想いが凝縮されているはずだと思うのです。
 そうしたものが全て注ぎ込まれているのが小説だと思うのです。
 当然そこには作者の個性が滲み出てきます。

 成就されない恋愛を好む作者。若者の成長を好む作者。密室ミステリーを好む作者。緻密で壮大なファンタジーを好む作者。心理的、哲学的な話を好む作者。

 そうした中でも、とりわけ際立ったまさにこれはこの人しか書けないだろうというくらい強烈な個性を持つ作家、その作家の個性がいかんなく発揮されたものを魅力的な世界観があると僕は呼び、そういう魅力的な世界観がある作家や作品が大好きなのです。

 例えば、横溝正史のあの田舎の因習と殺人を組み合わせた神技的なミステリー。司馬史観とさえ言われるほど歴史に対する深い洞察をもって書かれる司馬遼太郎の歴史小説。ある意味、宗教書にも匹敵するんじゃないかと感じさせる宮沢賢治の童話群。その名のとおり僕の中では伝説となっている田中芳樹の『銀河英雄伝説』。江戸時代の人情機微を描いた小説を書かせたら右にでるものはいないんじゃないかと思う池波正太郎。

 



 漫画もありますよ。
 あの時代によくこれほど奥の詰まった世界を描けたのかと今でもびっくりする、『風の谷のナウシカ』や『AKIRA』(映画じゃないですよ!)。
 エヴァンゲリオンは、完全に『風の谷のナウシカ』の巨神兵からアイデアをもってきたんだと思うし、『進撃の巨人』の超大型巨人だって、もしかしたら巨神兵にインスピレーションを得たのかもと思っています。

 

 

 しかし、魅力的な世界観っていうのは、単に小難しい話やわけの分からない単語を出して読者をけむにまくことじゃないんですよね。
 そこに、作者が構築したしっかりとした世界が描かれているかということなんです。
 そういう意味ではいけば、エヴァンゲリオンは、もはや何を伝えたいのか僕には理解不能です。特に映画の三作目の「Q」。ロンギヌスの槍とか、カヲルくんは何のために出てきたんですか? ほんと誰か教えてください。

 まあいずれ、世界観はとっても重要ですが、自分の中でしっかり咀嚼してないと空中分解する可能性もありますので注意が必要です。


 皆さんの個性はなんですか?
 個性には、上も下もありません。
 どんな個性でもそれはあなたに備わった唯一無二のものです。
 ですが、現実と同じようにあなたの個性は万人に受け入れられるわけではありません。
 あなたの個性を好む人もいれば、距離を置く人もいます。

 でもそれでいいじゃないですか。
 トレインミステリーが好きなら、それだけを突き詰めていけばいいと思います。そういうプロの作家さんもいますよね。
 BLが好きでそれしか書かないって人がいたっていい。
 とにかく歴史ものが書きたいんだ! って人もいるでしょう。
 とにかく最初は自分が好きなジャンルをどんどん書いてみた方がいいです。それを深めていくと、どこかで壁にぶつかります。そうしたら、違うジャンルの作品も読んだり、書いてみたりすればいい。そうすれば、あなたはにはまた新たな個性が生まれてきます。その積み重ねが、深みのある、そして魅力的な世界観につながっていくんだと思います。

 ちなみに僕は、神と人間の対立というものを自分の中の大きなテーマにして書いてますが、いまだに答えにたどり着けません……

 

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