初めに
カクヨムという小説投稿サイトがある。
僕はかつてそこで小説を書いて投稿していたことがある。
そこで過ごした時間は、僕にとってはかけがえのない時間だった。
同じ趣味を持つ人たちと出会い、交流し、作品を読み合い、自分の作品のレベルがいったいどれくらいのものなのかをある程度知ることができた。
書くことが楽しくて、交流することが楽しくて、日に何度もサイトを訪れたものだった。
そうした時間を過ごすうち、物語を書くということが自分にとって最も夢中になれる、最も心地よい時間であることに気づき、ついに本気で書くことを決意し、出会った仲間たちに別れを告げて、カクヨムを卒業した。
そういう意味においては、カクヨムというサイトには感謝の想いしかない。
だが、カクヨムに夢を抱き、消えていった人も少なくない。
カクヨム、読まれない。
カクヨム、もう無理。
カクヨム、やめます。
そんな言葉がネットの中でも時折出てくる。
なぜか?
それは、そうした人たちの持っていたカクヨムに対するイメージとカクヨムの実態がそもそも違っているからだと断言できる。
ここは、誰でも自由なスタイルで物語を書くことができ、いつでも、たくさんの物語を読むことができ、お気に入りの物語を他の人に伝えることができる。そんな「場所」です。
公式サイトにはそう書いている。
確かにそのとおりで、何も間違ってはいない。
ユーザーもたくさんいる。最新の記事によると月間ユーザー数570万人とのことだ。当然その中には、読み専と呼ばれる、小説を見るためにアカウントを取っている人もたくさんいる。
だが、カクヨムの読み手の圧倒的多数はラノベを求めていて、一般文芸を読みたいと思っている人は本当にごくわずかだ。すなわち、一般文芸に関心があるのは、一般文芸を書きたいと思って入ってきたアマチュア作家がほとんどであり、それがカクヨムというサイトの実態なのである。
いや、カクヨムだけじゃなく、他の小説投稿サイトと言われるもの全てが多かれ少なかれ、そうだと言っていい。
そういった場所なので、一般文芸の作家になりたい、自分が書いた物語を読んで欲しいと思って入ってくる人たちは、自分の作品がいかに読まれないか次第に悟るようになる。
そして、読まれるためには、同じように読まれたいと思っている別な一般文芸の書き手の作品を読むことが、一番の近道だと知るようになる。
その結果は言うまでもないだろう。
まさに文芸サロン、同人誌的な空間となる。
書き手同士が互いの物語を読んで切磋琢磨し合う、それ自体は素晴らしいことで、そうしたサロン的、同人誌的な空間は意義もあるし、否定もしない。かくいう僕もその空間にある意味、思いっきり浸りきった。
だが、そんなサロン的空間なんて望まない、そもそも人との交流が苦手だ、とにかく自分の作品を読んで欲しいだけなんだと思っている人にとっては、そうした環境に違和感を感じるのは仕方がない。
そこに悲劇が生じ、多くの人たちがひっそりとカクヨムをやめていく。
僕はカクヨムを卒業するあたり、僕がどんな思いでカクヨムに入り、カクヨムで何を感じたか、カクヨムで読まれるためにはどうしたらよいのか、どんな心持ちでカクヨムと向き合えばよいかなど、カクヨムで快適に過ごすためのヒントやテクニックなどをテーマにしたエッセイを最後に書いた。
小説を書きたい、書いている、どうせなら投稿サイトに出してみようか、だったらどこがいんだろうと悩んでいる人もいるだろう。そういう人々にとって、このエッセイが小説投稿サイトというものがいかなるものか知る一助になれば幸いである。
なお、当時の雰囲気を伝えるため、基本的に原文をそのまま記すことにするが、まだカクヨムで活動されている方もいらっしゃると思うので、個人を特定するような言葉や作品だけはイニシャルとさせていただく。
カクヨム体験記
ここからは、僕が2019年6月にカクヨムを初めてから、2020年12月にカクヨムを卒業するまでの間、カクヨムの中で感じたことや、起こった出来事などを体験記風に伝えていきたい。
個人的な体験記に過ぎないが、カクヨムを経験した人であれば、多かれ少なかれ共感できるところがあるに違いない。
カクヨムとは、いったいどんなサイトなのか?
カクヨムで、自分の書いたものは読んでもらえるのか?
その答えは、この体験記の中にあります。
1 読まれない
僕は2019年6月18日にカクヨムを始めました。
これまで作家になりたいなどとは考えたこともなかったが、昔から空想したり、変なことをだらだらと思考するのが好きだったので、3年位前に、思い付きで短編を書いてみました。
書いたはいいのですが、せっかく書いたんだからどこかに出してみようかと欲が出てきまして、ある地方文学賞に応募してみたんです。
まあ、結果は皆さんの予想どおりでしたが、でも逆に面白くなってきて、その後、もう一つ短編と長編を一本づつ書いて、それぞれまた合いそうなところに送ったのでした。
でもやっぱり駄目で、もう小説書くのはやめようかと思ってた矢先、去年の6月くらいに、なんとネットで小説を載せられることにようやく気付き、どうせやめるんなら、誰かに見てもらって、少しでも感想聞いてからやめようかと、つまり、そんな破れかぶれで始めたのがきっかけでした。
実はそのときは、カクヨムの他にも、な〇うとか、ア〇ファポリスとか、エ〇リスタとか、ノ〇ルデイズとか、5サイトくらいに投稿してました。まあ、その話はおいおいするので、今日は飛ばします。
その時の僕の手持ち作品は上にあげた短編2つの長編1つで合計3作品。これがその時の僕の手持ちの全てでした。
一気に載せるのは嫌だったので、とりあえず小出しにしようと思い、「田舎暮らし」という一万字ちょいの一番短い作品を10話に分けて毎日投稿しました。
あと、落っこちたのをそのまま出すのも嫌だったので、推敲してから投稿しましたが、その時は、こりゃ落ちるよなと苦笑しながら推敲したのを思い出します。ほんと、ひどかったな…
で、6月21日に一話目を投稿したんですが、全然読まれないんですよね。
本当にびっくり、なんだこりゃって感じです。
一日にPV1とか0とか。
あのときは、他のサイトの方が全然読まれてて、僕的にもカクヨムはおまけみたいな感じでした。
でも、6月23日。
書き始めてから、二日後、びっくりすることが!
通知アイコンが赤く光ってるじゃないですか!
なんだと思って速攻で見たら、なんと僕の作品にハートマークがついていたのです。
Mさん、本当にありがとう! あのときはうれしくてうれしくて、本当に舞い上がりそうでした。
つまりそんな、おそらく皆さんと同じような感じで僕のカクヨムライフも始まったのです。
2 初めての★、初めてのコメント、初めてのレビュー
皆さん、★をもらったら、凄くうれしいですよね。僕も『田舎暮らし』という短編を掲載し始めて6日目(6話目)のこと、とうとう初の★をいただいたのです!(初めて★をいただいたのも、一番最初にハートマークをいただいたMさんからでした。ありがとうございます、一生忘れません!)
その翌日のことでした。またまたびっくりしたことがありました。
なんと初めて、応援コメントなるものが入っていたのです。
これは、ほんとラブレターもらうよりうれしかったです!(ラブレター……今は、ラブメールなの? よく分からんが)
いや、ちょっと言いすぎかな。でもその時はほんとそう思ったなあ。
そして、最終話まで投稿した翌々日のこと、驚天動地の出来事が起こりました。
なんと、おすすめレビューをいただいたのです!
この感動をどう書けばいいのかもはや言葉が見つかりません。本当にありがとうございました!
と、そんなこんながありまして、その後も何人かの皆様から★をいただき(その方々は今でも僕の作品を読んでくれる僕にとって大事な大事な方々です)、僕の最初の作品『田舎暮らし』は、想像していた以上の成果と喜びを僕にくれたのでした。
とここで少し客観的に分析してみると、ここが良かったかなと思う点が一つあります。
それは、毎日毎朝投稿したことでした。
僕はいまでも基本的に朝に投稿しますが、僕と付き合いが長い方はそんな僕のパターンをよくご存じで、夕方に投稿すると、珍しいですねとコメントくれたりします。
ここで大事なのは、規則性をもって投稿したということです。
別に毎日じゃなくてもいいかもしれませんが、もし、不定期にして1週間も空けちゃったら、読んでもらえなかったような気がします。なので、もしカクヨム初心者であるならば最低でも、2日か3日に一回は投稿した方がいいと思います。
なぜなら、その人をよく知っていれば別ですが(つまり書けることを知っている、物語を終わらせることができる人であることを知っているということ)、初めて読む方の場合、1週間も間隔が空くと、この人、本当に終わらせられるのかなという疑念が湧き上がるからです。それに一週間もあくと、よほど印象的な作品ならまだしもほとんど忘れてしまいます。
まあ、これは僕の主観ですが、どうなんだろ? 皆さんの中にも、そんな方が結構いらっしゃるんじゃないかと思ったりもするのです。
まあ、いずれ、WEB小説の大きな特徴の一つはライブ性にあるんじゃないかと僕は思ってます。
あ、昨日の続きが出てる、じゃあ、暇つぶしにちょっと覗いてみるかって感じ。週刊誌だって、毎週発売日が決まってるからみんな心待ちにしますよね。これが、不定期なんて言われたら、たぶん、誰も買わなくなるでしょう。
なので、カクヨム始めたばっかりの方なら、1作目はある程度計画的に投稿した方が、いい結果を生む可能性が高いと思いますよ! ぜひ、頑張ってくださいね~
と、偉そうにアドバイスしますが、僕もたった9か月前に始めたばっかりなので、あんまり鵜呑みにしないでくださいね。
もしかすると、コメント欄に、もっといいアドバイスをくれる人がいるかもしれないので、そちらも見てもらうといいかもです……人まかせかい!
3 二作目を投稿
さて、一作目の『田舎暮らし』を完結した僕は、間髪おかず手持ち作品の二作目の『閻魔の裁定』の投稿を始めました。
これは、原稿用紙100枚程度の物語で、まあ、公募でよくある長さの作品ですが、これも19話に分けて、同じように毎日毎朝投稿したんです。
やっぱり続けざまということで関心をもってもらえたのか、その日のうちに、一作目の『田舎暮らし』にハートマークや★をつけてくれた人が見てくれたみたいで、PV0とか1なんてことにはなりませんでした。
そして、さっそくその日のうちに★をいただき、僕はもうすっかり有頂天になってしまったのでした。
僕は作品を書くだけでなく、★や応援してくれた人の作品を読むようになりました。少しどきどきしましたがコメントも書いたりして、でもすぐに返事があって、それはなんだか小学校に戻ったような、どんどん友達が増えるような感じだったのでした。
4 承認欲求の恐ろしさ
2作を投稿し終え、思いもかけぬ反応に僕は完全に有頂天になっていました。
それとともに、僕の中にもっと評価されたい、もっと読んでもらいたいという凄まじい承認欲求の渦が巻き起こってきました。しかし僕に残された作品は残り一作だけ。しかもそれはある賞に応募中であり、結果が出るまでは公開することができません。
どうすることもできない僕は、人の作品を見てハートマークつけたり、★をつけたりしてましたが、それはひとえに自分の作品を見てもらいたい、たぶん、それだけの思いだけだったと思います。
だが僕は、そういう状況に耐えられなくなりました。
そして、見てもらいたいなら書けばいい。純粋にそう思ったんです。ただ僕は素人で、これまで書いた作品ですら結構な期間をかけて書いたものでした。同じような長さの作品を書こうとすると、同じくらいの時間が掛かってしまうでしょう。
5 『SEX』
『カクヨムの天使』は、大好評で毎日のように★が入り、いつの間にか週間ランキング一位になっていました。
そして、その頃僕は完全にカクヨム中毒になっていたのです。
暇を見つけては、カクヨムのトップ画面を見て、通知ボタンが赤く光っているかどうか確認するのが癖になっていました。
だが当然、勢いは落ちます。
トップ画面を見て、通知ボタンが赤く光っている頻度はじわじわと落ちていきました。
それが僕には耐えられませんでした。
あのゴールドラッシュのような空気をもう一度味わいたくなっていたのです。
『カクヨムの天使』を投稿してから、一週間後、僕は再び新しい短編を書いて投稿したんです。
そして、この短編が僕のカクヨム中毒を決定的にしてしまったのです。その作品の名前は、『SEX』という題名でした。
6 ライブで書く楽しさ
『SEX』を公開して、曲がりながりにも、月間一位という勲章を得ることになった僕は自信がついてきました。
自分の書く物語は見てもらえるんだ、それなりに評価してもらえるんだという自信でした。
それは、もう小説を書くのなんかやめようかと思っていた自分にとっては物凄く大きな変化でした。
そしてもう一つ、作品を書くことに対して、それほど構えることがなくなりました。
最初の頃は、最初から最後まで書ききってから出さないと、それでもここが違うんじゃないか、この表現でいいだろうかと、ずっと悩んだものでした。
ところが、そんな作品よりも一日や二日で書いた作品の方が見てもらえた。高い評価をもらった。それは僕の意識を大きく変えたんです。
WEB小説なんて、何も完璧にしてから投稿する必要なんてない。誤字だって直せる、表現だって手直しできる。まずは書く。そして、ある程度納得がいったらまずは投稿してみよう。
そういう風に考えるようになりました。
7 長編執筆の大変さ
ここまで、手持ち作と思い付き短編で予想もしなかった反響を得た僕は、今度は長編を書いてみようかと思い立ち、『42.195キロ』を書き終えた翌日から考えなしに、密教を題材にした新しい新作長編『鎮魂の唄』を書き始めました。
ですが、プロットだけ決めて適当に書くようになっていた僕は、この物語を書くのに物凄い苦しむことになり、終いには小説を書くのはやめようとさえ思うようになってしまったのです。
『鎮魂の唄』は毎日毎日が試行錯誤の連続でした。
女子高生の今風の言い方や化粧事情? ……知りません
仏教の概念や仏、菩薩、明王とは何か? ……知りません
敵はどうする、終わりをどうする、この物語で伝えたいことは? ……まだ、そこまで熟成してません
そんな状況でどうにかこうにか書いていました。
8 ロイヤリティプログラム
結局、僕は読者の支えに助けられて、再び書き始めることとしました。
そして、少し新しいことにも挑戦してみようと、現代ドラマばっかりじゃなくて、昔話風の短編やエッセイ、パロディなんかも書いてみたのです。
特にエッセイでは今までコメントでしか会話できなかった人たちとかなり親しくお付き合いさせていただいて、本当に楽しい日々を送っていました。
そんな中、カクヨムに大きな変化が生まれようとしていました。
ロイヤリティプログラムの開始でした。
そして、いざそれが始まると、なんだかカクヨムの雰囲気が変わってきたように感じました。
新作が一気に増えて、読み合いみたいな自主企画がどんどん増えていきました。
9 カクヨムコンテスト
ロイヤリティプログラムから始まった変化に対して、幾ばくかの不信感は生まれつつありましたが、それでも僕はまだカクヨムが好きでした。それはひとえに、仲良くしてもらっている人たちとの交流によるものでした。
ある意味それはSNS的といってもいいかもしれません。
そのときの気持ちを書いたものも旧エッセイにありますので、ご紹介します。
初心者の戦略
ここまでお読みいただいて、僕がカクヨムでどんな日々を送ってきたか、ある程度お分かりのことと思います。僕は今、本気で小説を書くことを決意し、現在はカクヨムを退会しておりますが、それでも現在のカクヨムの状況も僕がカクヨムで活動していた時の状況(2019年6月から2020年12月まで)とほとんど変化はないだろうと思っています。
ですので、ここからは僕なりに感じた、カクヨムを始めたばかりの初心者が気を付けることと、少しでも読まれるためのヒントを伝えていきたいと思います。
なお、小説を書いているけど、なかなか面白い小説が書けないとお悩みの方は、以下の記事もご覧ください。
10 目的の明確化と取るべき手段
さて、お前の体験談はよく分かった。それよりも最初はどうしたらいいんだという人がいるかもしれません。
それに対する答えは、あなたがカクヨムで何を求めているかによります。
もしあなたが作家を目指している、とにかく書籍化したいんだというなら、実績のあるな〇うでも、カクヨムでも、エ〇ブリスタでも、とにかく公募があるサイトに登録して、応募機会を増やすべきでしょう。
ただし、読者選考があるものはお勧めしません。
読者選考が絡めば、作品の出来以外の争いに巻き込まれ、余計な精神力を使うことになります。それは決してあなたにとってプラスにはなりません。
もしあなたが、とにかく書ければいい。自分の思いをぶちまけたいだけなんだというなら、何も考えず執筆だけに集中すればいいと思います。
カクヨムは読まれないと言われますが、ユーザーの数は結構います。その中には、あなたの作品に興味を持つ人がいるかもしれません。
何もしなくても、面白ければそれなりに人はつくし、そもそも自分の書きたいものだけ書ければいいんだというのであれば、あなたはそれで満足でしょう。それ以上のことを望むのは欲張りすぎです。
もしあなたが、僕のようにそこそこ読まれたい、気の合う仲間と一緒にカクヨムを楽しみたいというのであれば、何はともあれ、気の合う仲間を何人か見つけることが肝要です。
僕の体験上、いくつかお勧めの方法があります。
その一つは、まず僕のように先行していくつか作品を並べておくと言うことです。
できれば短編がいいでしょう。
投稿する頻度は先に話しましたが、ある程度計画的にした方がいいでしょう。一話物の短編ならそんなことは関係ないですが。
そしてもし、ハートや★をくれる人がいたら、その人のプロフィールを覗いてみてください。
その人がどんな作品を書いているのか、どんな経歴なのか。
僕が思うに、既に★を何十、何百ともらっている、または自分の書きたいジャンルと違うジャンルを主に書かれている人であれば、その人と親密な付き合いをするのは難しいかなと思います。
逆に、自分と状況が近い人であれば、とりあえずその人の作品を読んでみましょう。合わなければそのまま去ればいい。でももし共感できるんであれば、ハートマークを付けて、コメントを送ってみてください。
きっと、相手から返事が来ると思います。
カクヨムのコメント機能は非常に優れていると思います。
何度もやりとりできないようになっているのです。自分がコメントしたら、相手がコメントして終わり。つまり、いつまでもコメントし合うことができないのです。
合う人もいれば、合わない人もいます。イラっとするコメントする人がいたとしても、「コメントありがとうございます」と一言コメント返せば、それで終わりです。もし、もっと話したいなと思ったら、今度はどちらかが再びどこかでコメントしなくてはいけないのです。その積み重ねが交流へとつながっていくでしょう。
あと、意外と盲点ですが、新作コーナーがあります。そこで探すのもいいです。新作コーナーの3,4割は始めたばかりの初心者です。やはり同じ環境の人の方が同じ悩みを持っています。そういうところから探すのもいいと思います。
もう一つ、僕がおすすめするのがエッセイを書くことです。例えば、このエッセイ、意外と今まで一度も僕の作品を読んだことがない方も読んでくれているようですが、エッセイはそういう意味でとっつきやすいし、自分の考えを素直に出しやすい。
結局、人はまずその人がどういう人かを知りたくなるものだと思います。
そこで共感できる人だと分かれば、その人の作品も読んでみようかとなると思います。ただし、エッセイにもいろいろなエッセイがあります。友達を増やしたいというのであれば、雑多なその日の出来事を羅列するようなエッセイはやめた方がいいでしょう。そもそも、あなたを知らないのだから、そんな人の日常など別に興味もないでしょう。(ある程度、フォロワーがついている人であればいいですよ。そういう人は、既に読まれる基盤をもっていますので)
それよりも何かあるテーマにこだわったエッセイがいいと思います。なんだっていいんです。そうですね、例えばカップラーメンにものすごく詳しくて、あれは美味いとかを論ずるみたいなものとか、アニメの声優が大好きで、この声優ならあのアニメが最高だったとか、そんな物凄くマニアックな方が良いでしょう。
そういうマニアックな作品には必ずあなたの本当の声が文章に現れてきます。
その声が人を惹きつけるのです。薄っぺらな言葉を連ねた文章よりも、そういう熱い言葉が綴られた文章が、人の心を捉えるのです。
加えて、カクヨムにいるたくさんの人の中にはきっとあなたと同じ趣味や嗜好を持つ人がいるでしょう。そういう人であれば必ずあなたのエッセイに興味を寄せるでしょう。そこで出会った人は、もしかしたら、実社会の友達よりも話があう人になるのかもしれません。
まあ、そんなことで今日のまとめは、気の合う仲間を何人か見つけてみてはということです。その仲間は、きっと、あなたの応援団になってくれるでしょう。もちろん、あなたもその人の応援団にもなっているのでしょう。
そういうことを繰り返すことによって、ようやくあなたはカクヨムという広大な海の中で、身を寄せることができるボートを見つけることができるのです。
11 星の意味
前回は何人か気の合う仲間を作ろうという話をしました。
でも、じゃいったい何人作ればいいんだという人がいるかもしれません。
僕はこう答えます。そんな人が一人でもいればそれで十分だと。
もっと、はっきり言います。一人作るだけでも本当に大変なんですよと。
数を増やすことに目がいってるとしたら、あなたの目的はもう変わっています。それは、自分に都合の良い人を増やしたいというだけになっています。
そんなのは相手に絶対に伝わります。誰だって、そんな人と深い付き合いをしたいとは思わないでしょう。
でも、一人でもそういう人ができたとしたら、不思議ですけど、また一人、また一人となぜか自然に増えていくんです。
それは実社会と同じです。おそらくそうやって、人という生き物は同じ思いを持ったところに、心地いいところに集まっていくんだと思います。
でも、数人くらいじゃ星をもらえてもたかが知れてるんじゃないと言うかもしれません。そしたら、こう答えます。
星が10も超えれば、それで十分じゃないですかと。
そのくらいの星があれば、必ず何日かは注目の作品にピックアップされます。そうすれば必ず他の人の眼にとまります。そこから先は作品次第なんです。
良い作品であればもっと星が増えるかもしれません。増えなかったとしたら、それは読者の心に刺さる作品じゃなかったんだと思えばいい。
僕も昔は星が欲しくて欲しくてしょうがありませんでした。星の数が10を超えると、なんとか20に、20をこえればなんとか30に、30を超えれば50に、50を超えれば100にと。
今では皆さんのおかげもあって、なんだかんだ僕が書いたものはほとんど100を超えてしまいました。
でもそれで何か違う世界が広がったかというと、そんなことは全くありません。
星の数が100を超えても200を超えても300に至っても、何にも変わりません。4桁になれば書籍化の打診が来るんじゃないと思うかもしれませんが、4桁なんて、既に書籍化している方とか、何か特別な要素を持っている方が到達できるラインであって、カクヨムで普通に書いてるだけの人には縁がありません。
それに前も言った通り、書籍化を目指したいなら、コンテストに出した方がよっぽど確実で分かりやすいと思います。つまり僕が言いたいのは、★なんて、10も超えればカクヨム的にはもう十分、本屋で例えれば、本棚に並んでいる状態なんですよと。
加えて言うと、この僕がカクヨムを始めてからこの9か月の間、カクヨムで実施した読者選考じゃない、普通のコンテストもいくつかありましたが、最終選考に選ばれた作品の中には、星が一桁のものもざらにありました。
つまり、それで十分と言うことなんです。
ということで星の数なんて大した意味なんてないんです。
僕の言うことがイマイチ信じられないと言うんなら、どれでもいいから、星が5百とか千とか超える作品を見てみてください。
おそらく、なんでこれでこんな星があるのと思う作品の方が多いと思います(僕も結構ひどいこといってるなあ)
でも実際、僕もそういう作品をいくつか読みましたが、僕にはこんなに星がつく理由が理解できませんでした。逆になんでこれで星が一桁なのと思う作品がたくさんありました。僕にはさっぱり意味が分かりませんでした。
だから、もう理解しないことにしたんです。
だから、そんな意味不明なことに一喜一憂するのなんてやめて、今は、いい作品を書くことだけに集中してます。
どうですか、少しは星の呪縛から逃れられましたか?
えっ、やっぱり、星が欲しい……まあ、そりゃそうですよね。そんな簡単にその欲望を捨てられたら、苦労はないですよね。ものを書く人は、みんな見られたい、評価されたいって欲望を心の奥に潜めていますからね。
でも、その欲望に振り回され過ぎると、とんでもないところに行ってしまいますよ……そんなことにならないように、祈っております。
12 ジャンル設定
13 キャッチコピーとペンネーム
カクヨムにはキャッチコピーがありますね。
色も選べて、あの題名よりでかでかと表示される奴です。
ところが、キャッチコピーをつけない人がいます。
僕にはそれが信じられません。
そのことについても旧エッセイに書いたので、それを紹介します。
14 読み専のひとたち
カクヨムで楽しむためには、何人かの仲間が必要ですよと以前書きました。
でも、自分の作品のレベルがどのくらいなのかを知るには、別な人たちのことを考える必要があります。
それは、読み専門のユーザーさんのことです。
カクヨムである程度経験を積んでくると、ペンネームなどつけないIDアカウント丸出しのユーザーさんが見てくれるようになります。
この人たちは、純粋に小説を読むためだけにカクヨムに参加している方々で、まあ簡単に言えば、この人たちにどれだけ読まれるかが、書籍化されるかどうかの一つの判断基準になるんだと思います。
15 ユーザー層の考察
僕はカクヨムのユーザー層に対して一つの仮説を持っています。
カクヨムのユーザーは2種類に大別される。
書く人と書かないで読む人の2種類だ。
書く人というのは、それぞれいろいろな動機を持っているとは思うが、この連載で何度も取り上げているように、誰もが少なからず読まれたいという秘められた欲望を抱えている。
だから自分の作品を読んでくれる人、自分と交流している人の作品は読むが、そうでなければよほど自分にためになるか、共感できる作品でないと積極的に読むことは少ないんだろうと感じる。
もう一つのタイプ、すなわち書かないで読む人だが、僕はこの層の大半が10~30代だと感じる。
まあ、もっとぶっちゃけて言えば、エロに興味を持ち始めた少年少女やエロに取りつかれた妄想好きな男たちだろうなと思う。
まあ、そのことは別に悪くない。
僕も中学、高校のときは頭の中はエロだらけだった。
だから自分の妄想を満足させるようなものに躊躇なく飛びついた。
16 短編を書け
カクヨムを始めた直後は継続的に投稿した方がいいと以前に書いたと思うが、ストックがないならとにかく書くしかない。
ここで一つ忠告だが、いきなり長編を書くのはやめた方がいい。
長編は大変なエネルギーを要求されるし、読まれないときの心的ダメージは計り知れない。幸い僕はある程度読者を確保してから長編を書き始めたので、今連載中の長編はどれもフォローしてくれる人が結構いるが、これがフォロワー数0になって、PVまで0になったらさすがに心が折れると思う。小説なんて二度と書くかという気にすらなってしまうかもしれない。
そういうリスクがあるので、最初はとにかく短編を書くべきだ。
その際には、同題異話ということで、あるテーマを決めて一緒に書きませんか的な自主企画を立ち上げている方がいるようだから、そういうのに参加してもいいと思う。または、カクヨムで頻繁に開催している短編メインのコンテストに合わせて書いてもいいと思う。
17 仲間を見つけろ
一般文芸書いている人がカクヨムで読まれたいというなら、まあ、これに尽きるでしょう。
その前に、一つ大事なことを言っておきます。
いい作品を書けば読んでくれるだろうなどという甘い幻想は捨てなさい。
カクヨムでは良い作品を書いたところで基盤がなければ全く読まれません。
唯一カクヨムで何もしなくても読まれる可能性があるのは、エロラブコメと妄想系異世界ものだけです。つまり妄想好きな中高生のハートをがっちり掴んだ作品だけがガンガン読まれます。だって、そういう人がユーザーの圧倒的多数を占めているんだから。
じゃあ、一般文芸作家が読まれるためにはどうすればいいか。
同じく読んで欲しいと思ってる作者同士が仲間になるしかないですよね。
カクヨムでは★が全てです。★がなければトップページに掲載される「注目の作品」にも載らず、ランキングも上位に行けません。
18 「注目の作品」に載る条件の考察
今日はカクヨムで書いている人にとって非常に関心の高い「注目の作品」コーナーへの掲載条件に関する考察をしてみたいと思います。
読者にとって唯一の導線といってもいい「注目の作品」コーナー。
ここに載る条件は、前日に★をもらうことというのが定説のようですが、カクヨムで1年ほど書いてきて、もう少し複雑な条件があるような気がしているので、今日は僕の仮説を述べてみたいと思います。
まず、カクヨムには通常のデスクトップ画面と、スマホアプリ用の画面があると思います。
通常の画面は、トップページにでかでかと注目の作品が11個並んでいるのは誰でも知っていると思います。とりわけ上の2つは大きいので相当インパクトありますよね。
カクヨムとどう向き合うか
カクヨム初心者が少しでも読まれるためのテクニックをいくつか述べてきたが、やはりそれも限界がある。頑張ってもこのくらいか、こんなに頑張ったのにこれだけしか読んでくれないんだ、徒労感、自信の喪失、そうしたものに必ず見舞われます。
そんな時、考えざるをえない。なぜ自分はカクヨムで書いているのかを。何を目的にしてこの場にいるんだろうと。
ここからは、そうしたことをメインに書いていきます。これはカクヨムのみならず、あらゆる小説投稿サイトで書いている人にあてはまると思いますので、少なからず共感いただけると思います。
19 目的をしっかり持て
目的? どういう意味? って思うかもしれませんね。
でも、これって物凄く大事です。
つまり、あなたは何のためにカクヨムで書いているんですかってことです。
読んでもらうために書いているに決まっているじゃないか!
みんなそういうでしょうね。
じゃあ、何人に読んでもらえば満足するんですか?
百人のフォロワーがつけば満足しますか、それとも千人ですか。
一万PVまでいけば満足ですか、十万までいかないとダメですか。
★が100あれば満足ですか、それとも300は欲しいですか。
それはとめどない欲望の海です。
どこまでいってもキリはありません。
仕事の合間に物語を書くのが好きなだけなので、誰かに読んでもらえたらうれしいです。
そういう人だったら、10人くらいにしっかり読んでもらえばそれで十分じゃないですか。そして同じような人たちと交流しながら、さらに自分の良さを磨いていけばいいじゃないですか。
読者なんか関係ない。俺は自分の滾るような思いをぶつけたいだけなんだ!
そういう人だったら、そもそも読まれなくても別にいいですよね。自分の好きなものを好きなだけ書けばいい。
もっと上を目指したいんだ! 本にしたいんだ! 作家になりたいんだ!
だったら投稿サイトなんかで油売ってないで、作家に直結する公募に出しなさい。
いや、カクヨムで書いたものを本にしたいんだ!
それならカクヨム内で募集するコンテストに出せばいい。カクヨムではそうしたコンテストを年がら年中開催してます。そういうコンテストに応募して賞を取れば書籍化されますよ。
コンテストに出すなんてだいそれたことじゃなくて、自然にたくさん読まれて、どこからか書籍化の打診が来るのが夢なんです。
それは夢じゃない、ただの妄想だし、もっと具体的に目的を見つけないと、カクヨムという大海の中で振り回されて、結局、ドロップアウトしていくのが落ちですよ。
皆さんは、どれにあてはまるんですか。
ちなみに僕の目標は、自分の書いたものをたくさんの人に読んで欲しいということです。ただ、そのためには自分の書くものがそもそも他の人が見たときにどう映るのかを知る必要があると思っています。自分の長所と短所をもっとあぶりだす必要があると思っています。
昨日、拙作「カクヨムの天使」の★がとうとう400に到達しました。
一年前を振り返れば信じられない数字だと思うし、これを読んでくれた方全てに感謝したいと思っています。
でも、だから何かが変わるわけじゃない。
★が400になっても、自分の思いはなんにも変わりません。
★の数もPVの数も、今の僕にとってはそんなに重要なことじゃない。
僕にとって今一番大事なのは、今書いている物語が昨日書いた物語より上達しているかということだけです。
物語を書くことに頂上なんてありません。どこまで行っても自分の下手糞さに呆れかえるほどです。でも、少なくても一年前よりはうまくなっていると自分では感じています。
そして、それはカクヨムで書いたからこそ辿り着けたと思っています。
これが僕のカクヨムで書く目的です。
20 夢を見ること
カクヨムに小説を投稿する皆さんは、いろいろな動機があるんでしょうね。
昔から物語を作るのが好きだった、単なる気晴らしに、誰にも言えない思いを吐き出したいんだ、いやいやとにかく作家になりたいんだ――なんだっていんです。創作とは人間の持つ欲求の一つである想像力の発露ですから、それだけで目的は果たされているんです。
ところが、人には評価されたい、承認されたいというこれまた困った欲求があるんですよね。これが抑えきれないと、読まれたい、★が欲しい、と心を焦がすことになってしまいます。
僕が思うに、承認されたい、評価されたいという気持ちは誰だって絶対にあるし、それもまた人間の欲求であるから無理に抑える必要はないと思うんですよね。
で、どうせ評価されたいんだったら、意味不明なPVや★なんかにこだわらず、コンテストや公募に出してみた方がよほどすっきりするんじゃないかと思うんです。
そういう意味では、小説投稿サイトというのは、本当に便利なものだと思います。
普通の公募だったら、全部書き終えて、何度も何度も推敲して、最初から最後まで目を皿のようにして見直して、紙に印刷して大事に封筒に入れて、祈りながら郵便局に持っていく。
ところが小説投稿コンテストなんて、書きかけでも応募できちゃうんですよ!
これってびっくりじゃないですか。
完結してなくても、字数さえ足りれば応募条件を満たしてしまう。物語が終わってないのに、コンテストに応募できるんですよ! シンジラレマセン……
しかも、読者さんの応援の後押しをもらいながら書けるんですよ。一人孤独に物語を完結させるあの辛さに比べれば、もうパラダイスですよ。
この手軽さをもっと生かすべきだと思うんですよね。
カクヨムではほとんど常時、なんらかのコンテストをやっています。
もう、どんどん応募すべきだと思うんですよね。
僕は過去に地方文学賞に2回、エンタメ系の公募に1回送ったことがありましたが、その時も結果が出る辺りになると、もううきうきして、どうなったろう、もしかして! なんて、毎日毎日夢見るような素敵な時間を過ごさせてもらいました。
結果が出たときの、落ち込み感が半端じゃなかったですけどね……
大人になるとなかなか夢を見ることが少なくなりますよね。
そんな中、こんなに手軽に夢を見れるんですよ。
これは、ほんと、素晴らしいことだと思うんですよ。
はっきり言って、PVや★なんて目じゃないですよ。あのわくわく感は。
カクヨムで書いているなら、どんどんコンテストに投稿してみた方がいいと思います。そうすれば、あなたも毎晩毎晩、もしかして自分の作品が本に!(グフグフ)……なんて、妄想三昧を楽しむことができますよ。
21 訓練の場
小説を書く時間って、皆さんいつなんでしょう。
朝書く人もいるでしょうし、睡眠時間を削って書いている人もいるでしょう。週末に鬼のようになって書いている人もいるでしょう。
まあ、それはその人が一番書きやすい方法で書けばいいと思います。
僕は仕事もあるので、書くのは朝方、だいたい五時から七時くらいまでが多いです。夜は一日の疲れもあるし、早く酒を飲みたいので、ほとんど書いたことがないです。
土日も意外とおんなじで、日中はいろいろあって、あんまり書きません。
じゃあ、朝のその時間はよほど根詰めて書いてるんだろうと思われるかもしれませんが、そうでもなく意外とすらすら書いています。
22 言葉の力
★★★ Excellent!!!
カクヨムビギナーの必読エッセイ
カクヨムビギナーでPVの少なさに落ち込み、カクヨム辞めようかなと思っている人がいたら(数日前の私です)、まずこのエッセイを読むことをお勧めします。
カクヨム歴長めの方も勇気付けられる内容かもしれませんね。
個人的には、たくさん勇気と知恵をいただきました。作者のぶんちくさんに心からお礼を言いたいです。
昨日、ある方(Kさん)から、こんなレビューをいただきました。
なんでこんなPV少ないんだ、やめようかな……
みんなそう思ったことあると思います。僕も初めてもらったMさんからの応援マークがなかったら、やめていたと思います。
23 読まれる確率
昨日、ある方からこんなコメントを頂戴した。
……世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを著者が面白そうだと思う。
世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを読者の一人が面白そうだと思う。
著者の面白そうと読者の面白そうが一致する確率は
1/100 X 1/100 = 1/10000
一万に一つ。……
一万人いて一人にしか読まれないか。
だが、意外とそんなものかなと思った。
ベストセラーと呼ばれるものは、だいたい10万部くらいか。だが、それは宣伝の効果もかなりある。
大抵の新人作家の初版は5千部か、よほど大きいところなら1万部も刷るのか。
日本人の中で赤ちゃんや病気の方を除き、いわゆる読書ができる人口を大雑把に一億とすれば、一万に一つを当てはめると売れる数は、たった千冊。
だが、そのたった千人が面白いと言ってくれれば、その数は比例級数的に一気に上がっていくだろう。
終わりに
以上、僕がカクヨムで身をもって体験したことの全てである。
体験記にも書いた通り、カクヨムには悪いところもある。それがために挫折感を感じて、カクヨムを去っていく人も多い。
だが、それ以上に良いところもたくさんある。
自分で小説を書いてみたい、実際に書いてみたけど誰かに読んでもらいたい、自分と同じような創作仲間と交流したい、そういう人々にとって、カクヨムは成長の糧を与えてくれる素晴らしい場所だと思う。
余談だが、僕はカクヨムで出会った方といまだに交流している。
同じ時を過ごし、同じ空気を吸い、創作の苦楽を分かち合う。
それは創作という枠を超えて、人生にとって、かけがえのない機会ではないだろうか。
このエッセイを読んで、自分も物語でも書いてみようかと思ってくれたら、これほどうれしいことはない。
そして、そういう方々のためにカクヨムはあるのだと思う。