僕はカクヨムのユーザー層に対して一つの仮説を持っています。
カクヨムのユーザーは2種類に大別される。
書く人と書かないで読む人の2種類だ。
書く人というのは、それぞれいろいろな動機を持っているとは思うが、この連載で何度も取り上げているように、誰もが少なからず読まれたいという秘められた欲望を抱えている。
だから自分の作品を読んでくれる人、自分と交流している人の作品は読むが、そうでなければよほど自分にためになるか、共感できる作品でないと積極的に読むことは少ないんだろうと感じる。
もう一つのタイプ、すなわち書かないで読む人だが、僕はこの層の大半が10~30代だと感じる。
まあ、もっとぶっちゃけて言えば、エロに興味を持ち始めた少年少女やエロに取りつかれた妄想好きな男たちだろうなと思う。
まあ、そのことは別に悪くない。
僕も中学、高校のときは頭の中はエロだらけだった。
そういう風に理解すれば、学園風エロラブコメや平凡な男が異世界に転生してハーレム状態みたいな作品が圧倒的な人気を誇っている理由が説明できる。つまりはカクヨムの読み手たちは、ある意味エロ本、エロ動画を見るような感覚で読んでいるんだと思う。
だが彼等は大抵移り気で刹那的だ。
だからどんどん新しいもの、もっと刺激的なものを求める。
実際に本を買ってまで読もうと言うような行動に出ることは少ない。
だからこそ、PVが100万を超えるような作品が実際に本になったとしても大半がヒットもせず埋もれていくんだと思う。
ではカクヨムを運営するカドカワさんはこの状況をどう思っているのか。
当事者じゃないから分からないが、僕がもし企画部長だったら、別にこの状況は悪くないと考える。
僕だったら、サイトに足を運びこませる、すなわちサイトの価値を高めてくれるこうしたエロラブコメ作家を歓迎する。
そして、ガンガン読んでくれる若い人たちをもっと取り込んでいこうと考える。若い子を引き込み、若い子たちの圧倒的な同世代への波及力を使って、カクヨム自体のユーザー数とアクセス数を上げて、広告媒体としての価値を高めていく。
実際にアクセス数やユーザー数はどんどん伸びているようだ。
まあ、ということでカクヨムさんが求めているのは、PVを稼げる作家とガンガン読んでくれる少年少女ということになる。
だから、カクヨムさん的には書籍化する必要性をあまり感じていないと思う。
大事なのは、サイトの価値を高めるコンテンツの数と質を維持すること。
しかし書き手は書籍化して欲しいと思って書いているので、そういう場も作ってあげないと書き手が逃げてしまう。それがカクヨムコンテストなんだと思う。
これが僕の立てている仮説です。
この仮説に基づいて考えれば、読まれたいならエロを書け。
エロじゃない作品で読んで欲しいという場合は、読み合いでもなんでも作家同士の交流を頑張るしかない。
この仮説が正しいかどうかは知りませんが、僕はそう思っているので、カクヨムで何かを残そうと言う気はありません。
カクヨムには交流しやすいといういいところがあるので、そういうところだけつまみ食いして利用させてもらってます。
僕の中のカクヨム三箇条
ひとつ、星(★)をもらおうと思うな
ひとつ、カクヨムに過度な期待をするな
ひとつ、作家になりたければ、ちゃんとした公募に出せ
※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動していた際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。