アマチュア作家の面白い小説ブログ

素人作家がどこまで面白い小説を書くことができるか

ドラマの質の低下

「犬神家の一族」、皆さんも見たことはなくても聞いたことはあるでしょう。
 この作品は何回もリメイクされていますが、もし見るなら、1976年の市川崑監督の作品が断トツでトップです。

 自分でも小説まがいのものを書いていると、絶世の美女とか貫禄がある女性というのをイメージするときがありますが、絶世の美女は「犬神家の一族」の野々宮珠代こと島田陽子さん、貫禄ある女性は犬神松子こと高峰三枝子さんが真っ先に頭に浮かんできます。
 それくらい、この映画のこの二人の存在感は圧倒的で、主人公の石坂浩二さんがかすんでしまうくらい素晴らしい演技だと思います。
 島田陽子さんの美しさと言ったら、ほとんど空前絶後です。こんな人が目の前にいたら、僕は一言もしゃべれないと思います。

 ま、そんなことはさておいて、この映画を見て思うことは、現代で恋愛とかヒューマンドラマというテーマで物語を書く人は物凄く辛いんだろうなということです。
 なぜかと言えば、現代は恋愛や人間関係があまりに軽いあるいは希薄になりすぎて、それだけでは小説のテーマになりえないんじゃないかと思うからです。

 出会いも、駆け引きも、終わりもネットで至極簡単にすませられる現代。
 二股なんて当たり前、不倫や離婚なんて話題にもならない、エッチした人の数が自慢になる。

 現代の女性は、スケキヨを想う珠代さんになれるんだろうか。
 現代の男性は、珠代さんを想うスケキヨになれるんだろうか。
 そして、スケキヨを想う犬神松子夫人の親心。

「息子に家を継がせるために殺人なんて、ありえねえだろ!」
 この映画を見て、そう思う人もいるのかもしれませんね。
 でも、この時代はそうだったんです。家という物凄く重いものを背負わされた女性が思うのは自分の息子のことだけなんです。
 だって、僕の母もそういうものを背負わされて生きてきたのを僕は現実として知っています。

 今、そんなことを思い返しながら、この映画を見て改めて感じます。
 なんかもっと人の心を震わせるような映画作ってよ。もっと感動を味あわせてくれるドラマ作ってよって。

 僕はエンタメ大好きです。
 だけど、ちょっと今のエンタメは相当レベル下がってる気がします。昔は見たいドラマがたくさんありすぎて困ったくらいでしたが、今じゃテレビつけることもまれになりました。

 昔、ある人気俳優さんのマネージャやってた人と飲んだ時に、彼が言ってました。今のドラマはメインキャストに併せてシナリオ作るから、どれもこれも似たようなものになってしまう。

 確かにキムタクものなんか、どれを見てもいつものキムタクだなとしか思いません。

 そればっかりじゃありません。どれもこれも現実じゃありえないような美男美女ばっかりのキャスト構成、本当にプロの俳優ですかと思うような下手な演技、薄っぺらいテーマに世界観。

 そりゃ、暇な時間に何か見ようかと動画配信サービスでいろいろ探しても、結局、見たいものが見つからず、昔の名作選んじゃいますよ。

 ほんと、もっと危機感持った方がいいと思いますよ。だから本も売れない、テレビ離れも進むんだと思いますよ。

 ああ、好き放題言って、せいせいしました。
 ちなみに、じじいの戯言と言われると嫌だから言っときますけど、僕は決して大正生まれとかではないですよ。学生時代に好きだったアイドルは酒井法子ですが……

 

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