アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【小説の書き方について考える】小説技法 ~個性の書き分け~

 今、執筆中の長編で僕の中で課題にしていることがある。それはキャラの個性を書き分けられるかということだ。

 人にはいろいろな個性がある。
 勇敢、賢い、優しい、元気、そういういわゆる誰からも好かれるような性格もあるが、頑固、臆病、ずる賢い、自分勝手、傲慢というようなどちらかと言えばマイナスの性格もある。
 僕はこの長編で6人の少年少女をメインキャラとして扱っているが、この6人にも当然性格の違いがあり、その違いをしっかりと書き分けたいと思っているのだ。

 さらに付け加えていけば、主人公と敵役というポジションすら無くしてしまいたい。どちらが正しくて、どちらが悪かということすら固定せずそれぞれのキャラたちを書き分けたいと思っているのだ。

 そういうことをすると読者の方が混乱するかもしれないということはよく分かっている。だが、それでもそういう書き方をしてみたいと思っているのだ。
 単純な正義と悪というくくりの中で書くのではなく、人間の中にある複雑にうごめく感情を表現してみたいと思っているのだ。

 この長編は最初はライトノベルを意識して書き始めた。だが書いているうちにそれでは物足りなくなってきた。やっぱりもっと深いものを書きたいと思い始め、実際、物語もそういう方向に動きつつある。

 最近、僕は自分の力不足を痛切に感じる。
 スケッチ力が圧倒的に不足していると感じる。
 自分の書きたいキャラはある程度魂を吹き込めるが、そうじゃないキャラは完全にステレオタイプでしか書けていないんじゃないかと感じている。
 そんなんじゃ、この先、いい長編を書くことなんてできない。もっと人間に迫るべきだと思っている。それがどんなくだらない、情けない奴だとしてもだ。
 今の僕に必要なのはそういうスキルだ。そのスキルを高めるために、この作品を実験台にしたいと思っている。

 無駄になるかもしれない。せっかくの物語が滅茶苦茶になるかもしれない。でもそれでもいい。ただだらだら書くのではなく、課題を定め自分の可能性を探ってみたいと思う。

 

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