結局、僕は読者の支えに助けられて、再び書き始めることとしました。
そして、少し新しいことにも挑戦してみようと、現代ドラマばっかりじゃなくて、昔話風の短編やエッセイ、パロディなんかも書いてみたのです。
特にエッセイでは今までコメントでしか会話できなかった人たちとかなり親しくお付き合いさせていただいて、本当に楽しい日々を送っていました。
そんな中、カクヨムに大きな変化が生まれようとしていました。
ロイヤリティプログラム*1。の開始でした。
そして、いざそれが始まると、なんだかカクヨムの雰囲気が変わってきたように感じました。
新作が一気に増えて、読み合いみたいな自主企画がどんどん増えていきました。
どうしたら金をもうけられるかみたいなエッセイが乱立し、それはまるで、読んでもらいたいことだけに囚われていた以前の自分を見るような思いでした。
それに併せて、妙な噂が聞こえてきました。
いくつかの作品が過度な性的表現があるということで、削除されてしまったというのです。
ちょうどそのころ書いた旧エッセイの文章がありますので、僕のその時の心情を語るにはこちらの方がいいと思うので、ご紹介します。
新しく始まったロイヤリティプログラム。
僕はこのこと自体は反対ではない。というかしょうがないと思う。
これだけの素晴らしいサイトを維持するコストは膨大なものだろうし、角川さんとしても慈善事業でやっているわけではないので、相応の利益をあげなければならないのはそのとおりだと思う。
そして、利益の一部を読者に還元しようという試みも、方向としては理解できる。
出版しなければ作家と呼ばれず、報酬を得ることができない現在の状況を考えれば、わずかでも作家活動に対する対価を払うモデルを構築したいというのも頷ける。
ただそれによって、いかにパイを奪い合うかみたいな行動が増えているのを見るのは、あまり心地よいとは思わない。
その中で、最近、過度な性描写が含まれるという理由で、いくつかの作品が削除されてしまったようだ。その中には僕の大好きだった作品も含まれている。
どうやら、他のユーザーから通報されたらしい。
なんで?
今頃?
というのが僕の素朴な疑問だ。
たくさんの方が見て、高い評価を受けて、今まで全く問題がなかったものが急に駄目になるの?
これは、カクヨムさんにしっかり考えて欲しい。
僕の作品の中に『SEX』という作品がある。
性描写の過激さでいけば、即、アウトだろう。今回削除されてしまった作品よりはるかに過激な作品だ。でもなぜか、今日までなんの音沙汰もない。
この作品の今日現在のPVはこのとおり。
1話目 1266PV
2話目 1016PV
つまり1000人以上見たということだ。
だから、これ絶対に過激じゃないの! という通報が今までにあったと思うし、現代ドラマの月間一位にランキングされ、相当長い間、トップ画面を汚してきた。
それでも残ってきた。
つまり、カクヨムさんはセーフと判断したのだろうと思っている。
僕は、カクヨムさんには、しっかりした芯を持ってブレずにいて欲しい。その基準で『SEX』がアウトだというなら、すぐにも削除する。ただその基準が、このプログラムが始まったことでころっと変わるようなことがあって欲しくない。
そうしないと、書いている人が嫌気がさして、カクヨムなんか、いいやってことになっちゃうよ。
僕はカクヨムが好きだから、あんまり、変な方向に行かないでと心から祈ってます。
だが、願いも空しく、とうとう僕のところにも『SEX』を修正ないし、削除しろというメールが届いたのでした。
僕は、このロイヤリティに始まったカクヨムの変化に幻滅しました。
中毒患者のようにカクヨムにのめりこんでいた僕の心に隙間風が吹き始めたのでした。
※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動して際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。
*1:Web小説を書くことで出版を経ることなく直接収益を得られる環境を提供し、カクヨムで創作活動をする人を応援する仕組み 引用:公式サイト