アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【カクヨム読まれない】『SEX』

 『カクヨムの天使』は、大好評で毎日のように星(★)が入り、いつの間にか週間ランキング一位になっていました。
 そして、その頃僕は完全にカクヨム中毒になっていたのです。

 暇を見つけては、カクヨムのトップ画面を見て、通知ボタンが赤く光っているかどうか確認するのが癖になっていました。
 だが当然、勢いは落ちます。
 トップ画面を見て、通知ボタンが赤く光っている頻度はじわじわと落ちていきました。

 それが僕には耐えられませんでした。
 あのゴールドラッシュのような空気をもう一度味わいたくなっていたのです。

 『カクヨムの天使』を投稿してから、一週間後、僕は再び新しい短編を書いて投稿したんです。
 そして、この短編が僕のカクヨム中毒を決定的にしてしまったのです。

 その作品の名前は、『SEX』という題名でした。
 題名のとおり、SEXに翻弄される男の人生を赤裸々に書いた作品です。
 とんでもなくエロい表現があり、自分自身、すぐに運営から削除されるかもしれないなと思いました。
 でも、確実に読者の反響はあるだろうと感じました。

 なぜなら、カクヨムのトップページに載る注目の作品コーナーを見てください。
 エロ、おっぱい、美少女、JK、ハーレム……そんなワードばっかり、僕はもともと人間ドラマにしか関心がなく、これまで書いたのも全てそういう作品ばかりでした。
 でも、カクヨムの大多数の読者というか利用者は、そういうお固い人間ドラマよりもエロを求めている。それが現実でした。
 僕は、『SEX』を単なるエロとして書いたわけではありませんが、おそらく、上辺のエロさに惹きつけられる読者がいるだろうということを密かに期待していました。

 期待どおりでした。
 いや、期待以上……とんでもない反響でした。

 僕はGoogle Analyticsという分析ツールを使っていますが、それを使うと、自分の作品の閲覧数や、今、誰がどこで自分の作品を見ているかリアルタイムでみることができます。
 そのリアルタイム画面が、つきっぱなしでした。
 誰かが北海道で見てると思ったら、東京で、大阪で、沖縄でと、どんどん読まれていったのです。

 『SEX』は、いとも簡単に『カクヨムの天使』を抜き去り、あっという間に、週間ランキング、そして月間ランキングの一位にまでなってしまったのでした。
 恐れていた運営からの連絡もなく、『SEX』は、相当長い間、カクヨムのトップ画面を汚し続けたのでした。

(その後、だいぶ経ってから、ようやく運営から『SEX』の内容を修正しろ、さもなくば削除しろとメールが届きました。よって今では『SEX』は僕のワークスペースで眠ってます。その話はまた後で)

 

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※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動して際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。

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