昨日、ある方からこんなコメントを頂戴した。
……世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを著者が面白そうだと思う。
世の中に山ほどあることから百個を選んでそのウチの一つを読者の一人が面白そうだと思う。
著者の面白そうと読者の面白そうが一致する確率は
1/100 X 1/100 = 1/10000
一万に一つ。……
作者がネタを思いつき、作品にして、実際に本が読まれる確率。
一万分の一か。
だが、意外とそんなものかなと思った。
ベストセラーと呼ばれるものは、だいたい10万部くらいか。だが、それは宣伝の効果もかなりある。
大抵の新人作家の初版は5千部か、よほど大きいところなら1万部も刷るのか。
日本人の中で赤ちゃんや病気の方を除き、いわゆる読書ができる人口を大雑把に一億とすれば、一万に一つを当てはめると売れる数は、たった千冊。
だが、そのたった千人が面白いと言ってくれれば、その数は比例級数的に一気に上がっていくだろう。
ではカクヨムに置き換えてみよう。
カクヨムのユーザー数が何人いるかよくは知らないが、最近はだいぶ数も増えてきているようなので、大雑把に10万くらいとしようか。
で、一万に一つという式を当てはめれば、真剣に読んでくれるのは10人ということになる。
これって、かなり僕の中では肌感覚に近い数字だ。
そう考えると、カクヨムでは10人くらいに本気で読まれれば大成功なんだと思う。それくらい読まれたとしたら、全国に広げれば本当に千人くらいは読んでくれそうな気がする。
PVやフォロワー数が気になる人もいると思うが、僕はそういうただの数字よりも、どれだけ読みたいと言ってくれる人を見つけることができるかどうかの方が大事な気がする。
極端な話、一話あたりのPVが100しかないけど、例えば3人の方から凄く面白い! 続き期待してます! などと言われた方が可能性があるんじゃないかと思う。
お金を払ってまで本を買ってくれるのはそういう人だと思う。
PVが増えないのは、そもそもカクヨムにそういう導線が少ないことに起因しているのであって、あなたの作品が駄目だからではない。
肝心なのは読んでくれた人たちの反応。それこそが一番大事だと思う。
PV増えた、増えないなどと考えるよりも、コメントの数はいつもと比べて多いのか少ないのか、少ないとしたら今回の作品はあまり心に刺さらなかったのかなと見直すことが大事だと思う。
僕は意外とこの数字を肯定的に捉えた。
本気で読んでくれる人を一人でもいいから増やしたい。
その方がPVが一万超えるよりも、星(★)を100もらうよりもうれしい。
このコメントを読んで、そんなことを思った。
※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動していた際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。