アマチュア作家の面白い小説ブログ

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【小説技法】魅力的な脇役

 魅力的な脇役について考えてみます。

 面白いエンタメ小説の鉄則として、主人公と同じくらい、いや、それ以上に魅力的な脇役が存在するというのがあります。

 漫画の方が分かりやすいので適当に並べてみますが、

『機動戦士ガンダム』の赤い彗星のシャア
『北斗の拳』の世紀末覇者ラオウ
『ジョジョの奇妙な冒険』の悪の帝王ディオ
『進撃の巨人』の人類最強の兵士リヴァイ

 

 ちょっと思いついただけでもこれだけ出てきますが、皆さんの中にも、いやあいつだ! こいつもいるぞ! と百家争鳴、山のように出てくるでしょう。

 ルパン三世などはルパンの魅力もさることながら、次元大介、石川五右衛門、峰不二子、銭形警部と、それぞれのキャラが完全に確立されて、それぞれを主役にしたストーリーも数多く放送されています。
 だからこそ国民的なアニメとしてこれだけ長く愛されているのでしょう。

 以前、この創作論で魅力あるキャラクターの重要性について語りました。
 その中では、とりあえず個性を持つキャラを作ってみましょうという結論で終わりました。
 なぜそこまでしか言えなかったかというと、魅力あるキャラというのは、ある意味、人それぞれ違うからです。
 例えば、『進撃の巨人』ではリヴァイを上げましたが、いや、絶対、エルヴィンだ! いや、アルミンだ! ミカサでしょ! とそれだけで大騒ぎになってしまいかねません。

 例えば僕が考えるかっこいい男のキャラとは、信念をもって、正義であっても悪であっても、己の生き方を貫いてまっすぐに生きる男です。

 しびれます、まさに男の理想像です……あっ、でも、これだって僕にとっての理想像というだけで普遍的なものではないので勘違いしないように!

 彼らは当然顔だってかっこいい。
 でもそれは、そういうキャラだからカッコいいに決まっているのであって、顔がいいキャラがかっこいいということではありません。
 はっきり言って、顔がいいだけで他になんの取柄もないやつほど、世の男性から嫌われるものはありません。そういう男は存在するだけで世の男たちからぼろくそにこき下ろされます。ほとんど、嫉妬ですが……

 結局、上に書いた通り、魅力的なキャラというのは、ある意味、それぞれが心に抱いているあこがれの人物とほとんどイコールです。
 それが多くの人にも共感されるかどうかは、その人が持っている感性が、世の平均的な感性と近いかどうかということに関係してきます。

 僕は、『進撃の巨人』のライナーくんに魅力を感じる人がいても全然いいと思います。そういうキャラを書きたい、活躍させたいというのも全然ありだと思います。
 自分が書く小説は、自分だけの世界です。好きなだけ、自分の愛すべきキャラを活躍させればいい。
 でも、読まれたいということになると、そこはやはり世が求める理想像を考慮に入れざるをえない。ですが、その理想像とても刻々と変化します。そしてもしかして、自分の造形するキャラが世の中に新たなトレンドを提示することになるのかもしれない。もしそんなことになったら、本当に作者冥利につきるというやつでしょうね。

 結局、今回も魅力あるキャラということに関する結論は出ませんが、僕はとにかく自分がかっこいいと思うキャラを書く、ただそれだけです。
 そうして生まれたキャラがいつの日か人に受け入れられたら、こんなにうれしいことはないなと思っています。

 

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