アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【小説の書き方について考える】小説技法 ~群像劇~

 今、僕が書いている物語は群像劇的な性格を持たせている。
 メインキャラは確かにいるのだが、そのキャラの視点だけでない別なキャラの視点での世界観を描きたいと思っているからだ。
 だがそういう群像劇を成立させるためには、主人公以外のキャラにもメインキャラに匹敵するくらいの存在感と存在理由を与える必要がある。

 そういう書き方はある意味でかなり難しい作法であることは確かだと思う。
 一人の人生を書くのですら大変なのに、複数の人間のドラマを並行的に書かなければならないのだから。だが上手くいけば、それぞれのキャラが一つの楽器のように音を奏ではじめ、まさにオーケストラのような重奏的な調べを生み出し始める。

 複数のキャラを出すときに僕が大事だと思っていることは、それぞれのキャラにしっかりと命を吹き込むことだと思っている。逆に言えば、命が入っていないキャラは登場させたくないとさえ思っている。
 そういうキャラがいること自体が物語を薄くしてしまうと考えるからだ。
 だから僕はヒールであっても名前があるキャラには彼らなりの信念を吹き込もうと思っている。それが僕にとって共感できない信念であってもだ。

 なんでこんなことを書くかというと、これから僕はあるキャラの死を書かなくてはならない。
 それは本当に重苦しい作業で、本音を言えばあまり書きたくない。だがそれを書かないと次に進むことができない。だから仕方なく書こうと思うのだが、書く以上はそのキャラの死が物語にとって絶対に必要でなければならない。

 簡単にキャラが死ぬような作品があるが、僕はそう言う作品は好まない。
 死はやはりとてつもなく重いものだと思う。
 自分が血肉を与えたキャラだからこそ、その死に責任を持ちたいと思っている。

 

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