アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【小説の書き方について考える】小説技法 ~書きたい時代~

 書きたい時代というのがある。
 でも、それは好きな時代とは少し違う。
 どういうことかというと、例えば僕は例にもれず戦国時代が好きだ。
 特に信長に憧れる。
 幕末も好きだ。
 新選組、特に土方歳三の大ファンだ。

 でも、その時代を舞台に書きたいとはあまり思わない。
 まあ、その時代はすでにたくさんの作家が書いていて名作も多いし、いまさら僕が書いてもなという気が起こってしまう。

 というわけではないが、僕が書きたい時代として一番にあがるのは奈良飛鳥、平安時代だ。
 どういうわけかこの時代に憧れる。
 なんというか、豪奢な平安貴族がいる一方で道端に腐った死体が転がっているような妙なアンバランス。統治能力がまったく感じられない公家衆がなぜか実権を握り、その下で武士や庶民が喘いでいるという理不尽。至る所に闇があって、そこから異形のものたちが今にも出てくるんじゃないかと思ってしまほどのファンタジー性。

 世界史で行けば、やはりキリスト教の影響が色濃くでた中世ヨーロッパに興味がある。教会の絶対的な権威と蔓延る腐敗、金で罪を贖える免罪符みたいなおかしなもの、魔女狩り、錬金術や黒魔術、ペストなどの感染症でバタバタ死んでいくとんでもない地獄絵図、そんな末世的なところに興味がある。

 ここまで書いてきて、あっと思った。
 僕が書きたい世界って、理不尽な世界なんだと。
 理不尽な社会に対して叫ぶ人間を書きたいんだと。
 だから現代も書きたいんだ。
 ようやく分かった。なるほどね。

 まあ僕のことは置いといて、物語を書くときは自分がメインフィールドとする時代はある程度絞った方がいいような気がする。
 現代は別だが、やっぱり時代、時代にはそれぞれ特徴があって、書いて、調べているうちにいろんなことが分かってくる。その世界のディテールがどんどん自分の中に構築されていく。その時代に使われる言葉なんかも分かってきて、自然にキャラにしゃべらせることができるようになる。

 皆さんはどんな世界が好きなんですかね。
 意外とそこを突き詰めていくと、自分が書きたいことがもっとはっきりしてくるかもしれませんよ。

 

「小説の書き方」に関するまとめ記事はこちら

TOP