書くことに定年はない。
70過ぎた方が新人賞を受賞することもあり、そういうニュースを聞くと大いに励みに感じる。ぜんぜん焦る必要なんかなく、まだまだ時間はたっぷり残されているんだと感じる。
ただそういうこととは別に、やっぱり文学の歴史、いや、あらゆる分野において、新しいうねりを作っていくのは若者なんだと思う。
若い人の新しい感性、情熱が古くさい常識やら、固まり切ったしがらみを断ち切っていく。
そう言う意味で、僕は若い人の書く物語の方に興味がある。
興味というか、若い人には熱い物語を書いて欲しい。
激しい恋愛をし、友情を深め合い、理想に燃えて、挫折して、苦悩して、泣いて、笑って、怒って、叫んで、それでも人生に立ち向かっていく若い人だけが書ける荒々しく、熱い物語を書いて欲しい。
変に老成した、斜に構えたような物語など読みたくもない。
いつも堅苦しいことばかり言っているので、皆さん、僕のことを70代、80代かと思ってるかもしれませんが、そんなではありません。でも、20代ですと言うのはさすがに憚られる。まあ、そのくらいの年です。
だけど、気持ちだけは20代の熱さを持って物語を書きたい。
いつまでも若い魂を失わずに、熱い物語を書いていきたい。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ
アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンが書いた「青春」という詩の中の言葉です。