小悪魔みたいな女性がいる。
男は、弄ばれていると分かっていても、どうしてもそういう人に惹きつけられてしまう。
体を擦り寄せてきて、ねえ、ねえ、あれ欲しい、とねだる。
僕は一瞬ためらうが、その子の顔を見ると自然に笑顔になり、しょうがないなと買ってしまう。
私のこと好き? とつぶらな瞳で聞いてくる。
もちろんと答える。
一番好き? とさらに聞いてくる。
当たり前だよと答える。
すると、じゃあ、二番目は? と聞いてくる。
そうだなと言葉を濁すと、急に怒って僕を責め立ててくる。
ママが二番目でしょう!
そう言って、可愛い顔を真っ赤にして怒る。
そうだった、そうだったと言うと、娘はパパ大好きと言って、僕のほっぺにチューをしてくる。
聞いているのか、聞こえないふりをしているのか、嫁さんは静かに台所で料理を作っている。
女性は謎だ。
女性は男を悩ませ、苦しめる。でも女性がいるからこそ、男はこの世界で生きる力が湧き上がってくる。女性がいるからこそ、この世界は面白い。
もし女性がいない世界への入場券をいただいたとしても、僕は丁重にお断りするだろう。