アマチュア作家の面白い小説ブログ

素人作家がどこまで面白い小説を書くことができるか

小悪魔

 小悪魔みたいな女性がいる。
 男は、弄ばれていると分かっていても、どうしてもそういう人に惹きつけられてしまう。

 体を擦り寄せてきて、ねえ、ねえ、あれ欲しい、とねだる。
 僕は一瞬ためらうが、その子の顔を見ると自然に笑顔になり、しょうがないなと買ってしまう。

 私のこと好き? とつぶらな瞳で聞いてくる。
 もちろんと答える。

 一番好き? とさらに聞いてくる。
 当たり前だよと答える。

 すると、じゃあ、二番目は? と聞いてくる。
 そうだなと言葉を濁すと、急に怒って僕を責め立ててくる。

 

 ママが二番目でしょう!
 そう言って、可愛い顔を真っ赤にして怒る。

 そうだった、そうだったと言うと、娘はパパ大好きと言って、僕のほっぺにチューをしてくる。
 聞いているのか、聞こえないふりをしているのか、嫁さんは静かに台所で料理を作っている。


 女性は謎だ。
 女性は男を悩ませ、苦しめる。でも女性がいるからこそ、男はこの世界で生きる力が湧き上がってくる。女性がいるからこそ、この世界は面白い。
 もし女性がいない世界への入場券をいただいたとしても、僕は丁重にお断りするだろう。

 

愛娘

 

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