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カクヨムコンテストに向けた対策について その1

 カクヨムの一大イベントであるカクヨムコンテストについて書いていきたいと思う。

 まず、事実から検証する。
 第5回カクヨムコンテスト長編部門には4,724作品がエントリーし、412作品が中間選考を突破、そして、20作品が大賞・特別賞に選ばれた。
 短編部門は5,505作品がエントリーし、558作品が中間選考を突破、1作品が受賞。

 まずこの事実から、賞を取るのは限りなく難しいということが言える。
 特に短編賞は、ほとんど信じがたいほどの倍率だ。
 ただ、今、振り返ってみると、あの当時は、コロナの猛威が全国を覆い、しかも先がみえない不安というものが経済活動にも影響を及ぼしていた時期だった。
 そう言う意味において、第5回の受賞作がそれまでより少ない、そして受賞した作品がおおむね星(★)の数が多い作品だったのは、出版社としても冒険を犯せない、なるべくリスクを減らしたいという苦渋の選択だったのではないかと思ったりもする。

 第6回カクヨムコンに参加するレーベルは、前回の10社から大幅に増えて、17社になっているが、それこそKADOKAWAとしての今回のカクヨムコンに対する期待みたいなもの、または、危機感みたいなものの裏返しかと感じる。

 

カクヨムコンテスト

 

 さて、それではカクヨムコンテストに向けたちょっとしたテクニックを書いていきたいと思うが、肝心なことを一つ言っておく。
 このテクニックは、中間選考を突破するのには役立つかもしれないが、賞を取らせるようなものではないということだ。
 賞を取るには、まったく別な要素が必要で、それは突き詰めればたった一つ、その作品は読者がお金を出しても読みたいと思わせるほど面白いかどうか、ただそれだけだ。
 それはあらゆる公募に直結する要素であり、僕はその答えなど持っていないし、その答えはネットでいくら探しても、本をいくら読んでも出てこない。
 それは書き手が必死になって自分で考えるしかない。
 まず、そのことをはっきり言っておきたい。

 さて、ということで、カクヨムコンテストの中間選考を突破したい、ドキドキ感を味わいながら楽しんでみたいというために使えるテクニックをいくつか紹介していこう。
 まずカクヨムコンテストには長編部門と短編部門がある。
 どっちか片方だけ出してもいいし、両方だしてもいい。

 で、一つ目のテクだが、
 長編部門に出したいというのであれば、短編部門にも何か出しておいた方がいいということだ。
 短編部門だけという人がいたとしたら、一作ではなくて複数作を出した方がいいということだ。

 なぜこんなことを言うかというと、カクヨムコンテストに入ると★の動きが活発になる。ほとんど休眠していた人も急に起きだして活動しだす。
 それはみな、自分の作品に星(★)をもらいたいということで営業活動をするからだ。他の人の応募作を読んで、星(★)をつけて、自分の作品にもつけてもらおうとする。そう言う人が増えてくるのだ。

 そうしたときに間口を広くとってた方がいいというのが僕自身の経験から言える。
 ちなみに僕は、長編3作と短編4作、合計7作も出した。
 結果、長編はちょっとという人は、気軽に読める短編に星(★)をつけてくれた。
 短編でも僕の作品は、『カクヨムの天使』というかなり純文学に近い作品もあれば、『妻の唇はどれだ』みたいなほとんどふざけたパロディもあって、かなり幅が広かったので、読者も自分の好きなジャンルを選びやすかったような気がする。
 ということで、短編4作品はカクヨムコンテストのために書いたわけでもなく、以前書いたものをただ出しただけなのに、3つも中間選考を突破したのである。

 つまり、条件に当てはまる作品はどうせなら全部出したらというのが僕の提案だ。
 極論すれば去年出したやつでもいいと思う。
 まあ、応募する以上、少しは書き直すべきだとは思うが、道具として使うと割り切って出してもいいんじゃないのと僕は思う。

 それに、誰かに星(★)をつけるときの心理的な壁は最初が一番高い。
 一度星(★)をつけると、二作目以降は結構気軽につけてくれる。
 だからこの期間中、僕の短編4作全てに星(★)をつけてくれた人も結構いた。
 そう言うことを踏まえると、間口を広く取っておくのは大事だと言うことになる。

 二つ目のテクニックだが、
 当然だが自分も星(★)をつけましょうということだ。
 自分だけ星(★)をもらおうなどと了見の狭い考えではいけない。

 普段はそういうことをしないとしても、この時は自分のスタイルを変えてもそういう風にすべきだ。
 どうしてもそういうことが嫌いだと言うんなら、そもそも読者選考のイベントに出すこと自体が間違っている。
 読者選考ってことは、ユーザー同士どんどん読んで欲しいと言っているのだ。
 書き手は評価するな、読み手だけが評価してくださいなどと要綱に書いてますか?
 書き手が互いに評価し合うのはどうかという声があるが、それをカクヨムは推奨しているのだ。互いに競い合い、高め合っていい作品を作ってくださいとそういう意図でこのサイトを運営しているのだ。
 だからあなたもこのコンテストの参加者として書いて、読んで参加しなさい。
 いいと思ったら星(★)をつけてあげなさい。
 ぐっときたら、レビュー書いてあげなさい。
 僕はそうした。
 おそらく100作品ぐらいに星(★)をつけた気がする。
 読んでいた長編で、10万字を越えた作品は、よく頑張ったねという思いでつけたこともある。
 10万字を超える作品を書くと言うのは本当に大変なことなんです。
 しかも、コンテストに合わせて必死の思いでなんとか書いている。
 自分もそうだったし、そういうことが本当によく分かるから、よくやったねという思いで星(★)をつけた。

 まあ、そういうことで星(★)はつけてあげなさいというのが二つ目のテクニックです。
 とこれだけなら当たり前だと思うかもしれないから、一つ補足しておく。

  星(★)をつけてあげなさいと僕がいっている対象は、あなたと一度も交流してない人のことを言っているんです。

 仲間同士なら、まあ星(★)はつけますよね。カクヨムコンテストに出したんならなおさらでしょう。
 でも、そういう人以外でも、自分で面白そうなものを探して、読んで、いいなと思ったら、少し甘めでいいから星(★)をつけてあげなさいと言っているんです。
 そういうことの積み重ねが、結局は自分に帰ってくるんです。
 多分僕は、その時期に自分があげた星(★)の倍以上の星(★)をもらったと思う。
 そして、その時に知り合った方の中には、いまだに付き合っている人もいる。
 カクヨムコンテストはそう言う意味で、知らない人と知り合えるチャンスの場でもあるんです。
 星(★)をもらいたいだけなんてけち臭いことを考えてないで、本当に気の合う仲間をみつけようというくらいの気持ちで参加してみてください。
 僕が思うに、結局はそれが一番の財産になると思う。

 

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※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動していた際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。

 

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