アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

素人作家がどこまで高みに昇りつめることができるか

【笑えるコメディ短編小説】『文学におけるエロ表現の追求』

 

 

はじめに

 

 この短編は、かつてカクヨムで活動していた時に書いたコメディ小説です。カクヨムってとこは、あまりにエロいラノベが多いので、逆にエロを笑いのネタにした短編でも書いてみようかとほんの思い付きで書いたものです。

 読めばお分かりのように全て会話文のみで構成しています。これは会話文だけで、物語をどの程度コントロールできるか、試してみたいという目的も密かにあったからです。ということで、中身はばかばかしいですが、一応、文学的な実験作でもあります……一応ですが……

 ホントくだらない内容ですが、結構、好評だったようで、たくさんの人からコメントやら応援をもらったものでしたので、暇つぶしとしてご笑納いただければ幸いです。

 

 

本編

 

 (一)   

「失礼します! 私、今度ここでお世話になります白鳥さやかといいます。どうぞ、よろしくおねがいします! ――あの、どうかされたんですか。私の顔に何かついてますか」

「いや、君みたいな美人が、なんで私の研究室で働きたいと思ったのか不思議でね。きみは私が何を研究しているか知ってるんだろうね」

 

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 (二)   

「おはようございます!」

「白鳥君! 君、早速、カクヨムに投稿してくれたのかね」

「あっ、はい、博士に教えてもらったやり方で、昨日の会話を投稿しておきました」

 

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 (三)   

「着替えてきました…」

「白鳥くん、君が選択したのはガーター吊り下げタイプのパンストだろう」

「えっ、パソコンを見ているのに、なんでわかるんですか!」

 

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 (四)

「白鳥君、ここではっきりさせておこうじゃないか」」

「えっ、いきなりなんですか?」

「実は、君がカクヨムに投稿してくれているおかげで私たちの共同研究が広く世に知られ、多くの人が読んでくれているようなんだ」

 

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 (五) 

「おはようございます!」

「おはよう――白鳥君! きみ、その姿……きみは完全に私の好みを理解したようだね――ダークブラウンのミニスカートに白いタートルネックのセーター。細すぎず太すぎない足をこの上なくセクシーに見せるパンストを履いて……白鳥君、グンバツだ! つまり、抜群だ! エロさが臭い立つようだ。しかも、君とこんな六畳にも満たない狭い部屋で、今日の晩まであと9時間も二人で一緒に語り合うなんて……この文章を見ただけで、男性の過半数は下半身への血液流入量が一気に増加したと思うよ」

 

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 (六)

「夢か……今まで白鳥君としゃべっていたと思ったが、やはり夢だったか……白鳥君、君はもう戻ってこないのか……君がいなければ、いくら【創作論・評論】ランキング一位になったところで、うれしくもなんともない。私はいつしか君に惹かれていたみたいだ。君のエロさにではなく、君の内面から溢れ出る美しさに――まさに、あの作品を思い出す……エロスの本当の姿を描いたあの作品を……」

 

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 (七) 

「さあ、今日も研究を始めようか」

「はい! 博士、今日は、どんなエロを講義されるんですか」

「白鳥君、やる気が漲ってるね――ミニスカートの丈も1センチほど短くしたんじゃないのかい、もはや対面している僕には、まぶし過ぎて見れんよ」

 

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 (八) 

「……人妻ですか?」

「そうだよ、人妻だよ、人妻!」

「でも博士、これってエロいですかね、普通の単語のような気がするんですが?」

 

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 (九) 

「この暖簾を見たまえ。ビデオコーナーの一角に暖簾がついたコーナーがあるんだぞ。こんなものを見たら、子どもたちは興味津々だよ。彼らからすれば、まるで秘密基地だ――いや、ある意味では大人にとっても秘密基地といえるのかもな――さあ、入ろうじゃないか」

「あの、本当に私も入るんですか?」

 

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 (十) 

「……あの角の男だ」

「博士、怖い!」

「大丈夫だ! 僕がいる……おっと、こっちの角にも男がいて、君を見ている。どうやら、このシマは、君の放つエロフェロモンの影響で彼らの正常値エロをはるかに超えてしまったようだ。ここにいるのは危険なようだ。さっさと出よう!」

 

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 (十一) 

「着いたよ」

「うわ~! なんか、小さいコテージがたくさんあって、小さな町みたいですね。あっ、でも、車あります。結構、埋まっているんですね~」

 

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 (十二) 

「……白鳥君、なんて、君は柔らかいんだ。それに、石鹸のすごくいい香りがする」

「……博士」

 

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 (十三) 

「白鳥君……」

「……こうして、君を抱きしめているだけで、僕は例えようもなく幸せだよ」

「うれしい……私も幸せです」

 

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 (十四)  

「……初めて、SEXをしたときのことは今でも鮮明に覚えている。世界がひっくり返るような体験だった。私は、それを赤裸々に綴った。そう、確かにあの作品のとおりだった……

 

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 (十五) 

「……博士、博士」

「……おっ、白鳥君、あがってきてたんだね」

 

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 おわり 

「……夢を見ていた気がする。長い夢を……」

「どうしたんです」

「ああ、白鳥君、君も起きたか」

 

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読者さまからいただいたコメント

 

 ここからは、これをカクヨムで投稿した時にいただいた読者様からのたくさんのレビューやコメントの一部を紹介させていただきます。

 

 エロティシズムの研究をしている教授と、その助手の女性の物語。実は表象研究や文化人類学研究の中には、本当にこうしたポルノを始めとするエロティシズム研究がある。そのため、この作中の表現をどのように見るかは、読者次第なのだ。
 しかもこの作中には、このサイトのくだりがあり、メタフィクションとなっていることも、忘れてはならない。教授は助手に、やり取りをサイトにアップして、反応をうかがっていることから、現実と作品が逆転、もしくは入れ子式になっていることが分かるだろう。
 そして、最後にはまさかの展開が待っている。
 題名通りのこの作品。是非、御一読下さい。(Aさん)

 

 会話文だけなのに物語がきっちり成り立っていて、登場人物の行動が目に浮かんで面白かったです!
テンポも良く、テーマも色々と勉強になりました。
博士のエロにかける情熱が熱すぎて、博士のキャラが濃すぎて面白かったです。
たかがエロと馬鹿にしてはいけない作品だと思います。
かるーい気持ちで読めるので、皆様ぜひご一読を!(Bさん)

 

 会話のみで成り立たせようという新たな試みは中々に興味深いものでしたね。
 エロを文学的に研究する博士と助手という立場はコミカルな流れが主で、卑猥な部分は感じられませんでした。その為楽しく読める作品に仕上がっています。

 エロに抵抗がある方は最終話手前の二話だけは苦手かも……。しかし人間の愛を描く際、性は切っても切れないもの。どこまでが文学として容認されるのかを知ることは読み手・書き手共に参考になると思います。

 最終話は綺麗に纏められ愛の美しさを感じました。安直に『エロ作品』とは思うなかれ。(Cさん)

 

 悟りとは求道の果てに見出だすものだそうです。
 何事もそれを突き詰め辿り着く答えが悟りに繋がるのだと。性に関してもそれは同じですが、どうしても人間は欲に負けて道を失う。
 かつて性的行為を信奉対象にする名称すらない怪しげな密教があったそうですよ。便宜上固定する為に『彼の法』集団というとか……。性は生物の本能ではあります。それが商売として成り立つのは全世界共通の話で、悲しいかな人間はそれを否定できない。だからこそ【愛】が必要であり、真なる愛の元にこそ真なる性の到達があるのではないのでしょうか。
 とまぁ……書いててこっ恥ずかしい訳ですが、文学的に必要な性描写というボーダーラインが僅かに見えた気がします。物語も美しく着地し、より人間らしさを演出するに有効であることも確認できた本作は大きな意味があったと考えます。これもまた文学なり。(Dさん)

 

 男女混合も菩薩の境地。目から鱗です。博士の小説も読めて嬉しいです。私は十代の頃、何気なく読んだ本に結構な性描写があったのがトラウマで、性描写って苦手だったのですが。 それは文学なんだなぁと、切り離してはいけない人間の生の一部なのだと、しみじみ思いました。ありがとうございました。(Eさん)

 

 まさかの展開ww エロ→ギャグ→アカデミック→ハートフル(?) と、頭の切り替えがコーヒーカップさながらに急転換させられました! ライブ感もあって、web投稿小説のエンタメ性を一段上のステージに押し上げた作品だと思いました!(Fさん)

 

 最後……血液の流入場所が、まさか目頭に来るとは。素晴らしかったです。こんな作品を書けるぶんちく先生と、寛大なカクヨムに、感謝の限りを尽くしたいです。(Gさん)

 

 

あとがき

 

 性ほど、視点によって評価が分かれるものはないんじゃないでしょうか。
 性は時に人間を狂わせ破滅にまで至らせます。しかし愛の究極の姿でもあり、子どもを作る聖なる営みでもあります。
 だからこそ、あらゆる芸術において性が描かれるのだと思います。
 そして、人という存在も絶対に性と切り離すことはできないと思うし、それゆえ、人は性に悩み、性を求め、性に憧れるのだと思います。

 バカバカしい小説でしたが最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

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