アマチュア作家の成り上がり小説ブログ

素人作家がどこまで高みに昇りつめることができるか

『文学におけるエロ表現の追求(十四)』

「……初めて、SEXをしたときのことは今でも鮮明に覚えている。世界がひっくり返るような体験だった。私は、それを赤裸々に綴った。そう、確かにあの作品のとおりだった……

――大学に入り、ようやく俺はSEXを知った。
 儀礼的なデートを重ねて、うまくアパートに呼び込んだ俺は雰囲気などお構いなしに、彼女に抱きつき、唇を奪った。
 最初、彼女は抗っていたが、観念したと見えて、俺のすることをなすがままに受け入れた。
 俺は夢中で彼女の服を脱がした。焦りのあまりブラジャーをうまく外せなくて、見かねた彼女が自分で外してくれた。
 そこには夢にまで見た乳房があった。俺は震える手でその乳房を包み込むように触った。小さい乳房だったが、それは例えようもなく柔らかくて、俺は何度も何度も揉みしだいた。
 そのうちに、彼女の声が変わってきた。何かを必死に耐えているようだった。
 しかし、俺の両手の動きが荒々しく動くにつれて、ついに喘ぎ声が口から洩れた。
 その声が俺の頭を麻痺させ、俺はいやらしいほどギラギラした目で、今度は彼女の足を開こうとした。彼女は最初、いやと言って、足を閉じた。でも俺にはそんな声は耳に入らなかった。腕に力を入れて、無理やり足を押し開いた――

 俺は初めて女性の秘所を知った。それを、グロテスクというやつもいるが、俺はそう思わなかった。その瞬間は妙に冷めていたような気がする。俺はまるで科学者のように、じっくりとそこを見つめていた。だがそれも一瞬のことだった。俺の頭は爆発した。狂ったようになめまわし、暴発寸前にまで膨らんだ自分のものを彼女に突っ込んだ。

 それ以来、俺は彼女と毎日狂ったようにSEXした。ことが終わって、彼女が帰ろうとするのを見ると、なぜか物凄い衝動が体の中を突き上げてきて、俺は
再び彼女に襲い掛かり、着たばかりの服をはぎ取り、猛り狂ったようにそそり立ったものを彼女に突っ込んだ。
 そうして俺はSEXに溺れたが、逆に、彼女自体に対する愛情は消えていった。彼女とは、ただSEXする相手だった。それだけだった。彼女はいつか俺の前から消えていったが、新しい女が俺の前に現れた。
 今、あの頃を思い返しても、何人とSEXしたのかよく覚えていない。別に女を引っかえとっかえしてたわけじゃない。たぶん十数人だと思うが、どうしても全員の顔を思い出せない。
 俺は、女性というものをSEXというフィルターを通してしか知らなかった――

 

 ……白鳥君、私は怖い、また昔と同じように、SEXした途端、君に対する感情が霧のごとく消え失せてしまうんじゃないかと思うと……」

(続く)

悩む男

 

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