アマチュア作家の面白い小説ブログ

素人作家がどこまで面白い小説を書くことができるか

(十五)

「……博士、博士」

「……おっ、白鳥君、あがってきてたんだね」

「ごめんなさい、時間かけちゃって……気分を害されたんじゃ……」

「そんなことないよ。少し昔のことを思いだしていたんだ……そんなことより、バスタオルを巻きつけたその姿……白鳥君、奇麗だよ……さあ、こっちにおいで」

「……はい」

「とっても、いい匂いがするよ。それにしても、君の肌……滑らかで、白く輝いて……美しい……本当に美しい……」

「そんなこと言わないでください。恥ずかしいです……」

「何を恥ずかしがることがあるんだ。そして、その上気したような顔、潤んだような瞳……白鳥君、キスしてもいいかい……」

「……博士」

「……」

「……」

「……」

「とんでもない! こんなの初めてだよ。君の唇のもちもち感、タコの吸盤のように吸い付いてくる」

「もう、変なこと言わないでください……」

「もう一度してもいいかい」

「そんなこと何回も聞かないでください……」

「……」

「……」

「……うっ!」

「……」

「……白鳥くん、君から舌を入れてくるなんて……」

「…………」

「………………」

「………………」

「………………うわっ! 信じられない、なんだいこのキスは、僕の魂も君に全て吸い取られそうだよ……」

「……私、博士の心が全部欲しい……他の女の人との思い出なんて、全部、捨ててほしい。私だけを見てほしいんです」

「……白鳥君、正直に言おう。僕は、これまで本当に女性を愛したことがないんだと思う。女性をSEXの対象としか考えてこなかった。どんなに好きだと思っても、SEXが終わると、その女性に対する愛情がいつも冷めてしまうんだよ。だから、僕は不安で一杯なんだ。僕は君だけは失いたくない」

「博士、私も不安です。博士が私とエッチしたら、私のこと嫌いになるんじゃないかって……そんなこと考える、怖くて、怖くて……」

「白鳥君、僕は君を抱きたい。エッチなことをしたい。それはそのとおりだ。だが、今日はそれ以上に、僕は君に嫌われたくない。だから、今日こそ、僕は自分のためじゃなく、君のためにSEXしようと思うんだ」

「……私も、博士のために……博士がずっと私を好きだって言ってくれるように……」

「もう、そんなことは言わなくていいよ。さあ、白鳥君、君の裸を見せてくれ」

「……はい」

「……なんて美しいんだ……」

「……博士」

次話へ

TOP