「おはようございます!」
「白鳥君! 君、早速、カクヨムに投稿してくれたのかね」
「あっ、はい、博士に教えてもらったやり方で、昨日の会話を投稿しておきました」
「白鳥君、君は一日目から大変な偉業を成し遂げたんだよ、見たまえ、これを!」
「――え、なんですか」
「いいから、私の隣に座って、この画面を見なさい」
「あっ、はい――えっと、これは、カクヨムの画面ですね。昨日、初めて見ましたが、出だしのバナーがどれもロリっぽいですよね」
「それも、エロに通じるところだが……まあ、そんなことはどうでもいい、マウスのスクロールボタンを動かすんだ」
「こうですか」
「そうじゃない、もっと指をなめらかに、やさしく動かすんだ――そうそう、やさしくだぞ、やさしく……」
「……博士、なに、陶酔したような顔をしているんですか!」
「おっ、すまん、白昼夢をみていたようだ――そこだ、そこ、これを見たまえ!」
「えっと、創作論・評論のランキング……えっ! いきなり第二位になってるじゃありませんか!」
「白鳥君、これがエロの力だよ。たった一日、いや、たったの6時間で、私たちの共同作業は、新たな命を生み出したのだよ」
「博士、さきほどから、ちょいちょいエロいんですけど……」
「白鳥君、君は、昨日私がいったことをもう忘れたのかね! 私のエロい発言は、あくまでも純粋な研究熱から湧き上がってくる産物だということを!」
「す、すいませんでした」
「わかればいい。ところで――なかなか、いい肌触りだ」
「きゃっ、何、触ってんですか!」
「何って、君のパンストじゃないか」
「それは、完全なセクハラです!」
「君は、勘違いしている。これは化学なんだよ。パンストがどれだけ男の脳内で、ピンク色の物質を生成しているのか知らないのかね――ちょうどいい、これがその証拠だ。早速、君に届け物が来ている」
「……なんですか、これ?――えっ、パンストじゃないですか! しかも、ストッキングに赤いリボン柄がプリントされてますが……」
「今朝、私のところに届いたものだ。投稿をみた読者が送ってきた。おそらく極度のエロに違いない――まあまて、実はまだあるのだ」
「まだあるんですか?」
「ほら、これだ」
「――これもパンストじゃないですか。しかもガーターで吊るエッチなやつじゃないですか。これも送られてきたんですか」
「いや、これはこういうのが好きだというエロいコメントがあってな。わたしも手を打って納得してしまったので、昨日の帰りにイオンの下着売り場にいって買ってきた」
「……いろいろといいたいことがあるんですが、やめておきます」
「まあそういうわけだから、せっかく履いてきてもらって恐縮だが、このどちらかに履き直してほしいんだ」
「……あの、昨日は敢えて質問をしなかったのですが、ミニスカートもパンストも仕事には関係ないような……」
「ばかもん!!! 君は読者たちが何を求めているのか分かっているのか、エロなんだよ、エロ! 女主人公がエロいかっこをしなくてどうするんだ! 私が望んでいるのではない、彼らが望んでいるのだ! しかも君は選ばれたものなんだぞ。あの後、何人も馴染みの女性たちがやってきて、私を助手にしてくださいとコメントで訴えてきたんだが、私は君を採用してしまったから、泣く泣く断わらざるをえなかったんだぞ、彼女たちの羨望と嫉妬の目が君に注いでいるのが分からんのか! しかもいきなり、第二位などになってしまったら、今日は、見ず知らずの方々が大勢お見えになるに決まっている! すぐ、ここで着替えなさい!」
「……すいませんでした。すぐ、着替えます――でも、ここでは絶対に嫌です!」
「……」