渡辺綱は誰にも遭遇することなく山頂に迫っていた。ここに来る途中、天を震わすような絶叫や地が揺れ動くほどの振動、この場に相応しからぬ笛の音が聞こえてきたが、それらはおそらく、分かれた頼光たちが戦っている証であろうと思われた。とすればやはり茨木童子や鬼どもは表道に陣を構えていたのであろう。そう思うと綱は気が気でなかった。
あの茨木童子に頼光たちは勝てるであろうか。しかも茨木童子のみならず、四天王と呼ばれる鬼たちもそこに加わっているに違いない。頼光の屋敷で遭遇した金熊童子も星熊童子もただの鬼とは全く違う凄まじい気を漂わせていた。頼光や金時たちの力が並外れたものであることは綱とても十分に承知していたが身に生じた不安を拭い去ることはできなかった。だがそれとは別な思いもまた綱の心に湧き上がってくるのだった。それは頼光が言った言葉を聞いて、綱の心に去来した思いであった。頼光は大江山の登り口で綱たちに言った。
――力あれば生き、力なくば死ぬ。ただそれだけのこと――
それは、綱と言う男がこれまで生きてきた人生そのものであり、綱の心に刻まれた信念であった。
渡辺綱は嵯峨源氏の流れをくむ一族の子として坂東の地に生まれたが、綱が生まれた頃には、往時の威勢は既になく、ただの田舎武士にまで落ちぶれていた。貧乏子だくさんとはよく言ったもので、綱もたくさんの兄弟がいたが貧乏所帯のこととて十分に食べることさえままならず、食べること自体が既に戦いであった。日にたった一度の食事はわずかな稗と菜っ葉だけ。そんなもので育ち盛りの子どもたちの腹が満足するわけがない。兄弟たちの誰もがいかに出し抜いて、飯にありつけるかしか考えなかった。綱は暇さえあれば山に登った。山に登って食えるものはなんでも食った。家に持って帰れば体の大きい兄弟に取られてしまうから、その場で食うしかなかった。食えぬきのこを食って腹を壊したことは何度もあった。だがそれでも食えぬことに比べればましだった。
生まれつき敏捷で才覚もあった綱は、そうやってなんとか少年時代を生き延びてきたが、そうした才覚を持ってしまったことが逆に仇となったか、ある日親は綱に錆びた刀を一本渡すと、ここに残ってもずっと腹を空かせたままだ、都に行ってみろ、お前ならなんとか生きていけるかもしれんと言って、綱を家から追い出したのだった。こうして綱は十を過ぎたばかりだと言うのに一人で生きざるをえなくなったのだった。だが綱はその時、悲しいとも寂しいとも思わなかった。生きるとはそんなものだろうと思った。これまでもそうであったし、これからも同じように生きるしかなかった。強ければ生き、弱ければ死ぬ。ただそれだけであった。
着のみ着のまま垢にまみれ腹を空かしながら、やっとのことで都についた綱だったが都も田舎も何も変わらなかった。いやもしかしたら都は自然の中よりもっと過酷な世界であったかもしれない。持つものと持たざる者との不均衡。しかも持たざる者があまりに多すぎるために、わずかな食を争って人同士が騙し合い、蹴落とし合い、奪い取り、奪い取られるのが当たり前の世界であった。そして綱もその争いから逃れることはできなかった。
都についたまさにその日のこと、幸運にも畑に残っていた芋を拾い、これで今日も生きられるとうれしそうに京の大路を歩いていたら、自分よりもだいぶ体の大きい無頼漢に絡まれてしまった。綱が手にしている芋を寄越せというのだ。
騒ぎを聞きつけた周りのものは制止するどころか、この無法な要求に対してこの少年がどう振舞うだろうかと底意地の悪い興趣を持って眺めていた。恐らくこのものたちは、この少年が自分よりもはるかに大きいこの無頼漢に対して、卑屈な笑みを浮かべて芋を差し出すに違いないと思っているに違いなかった。それがこの都の理であり、この世界の生の姿であった。
ところが周りを囲む者たちの期待とは裏腹に、なんと綱はなんの躊躇もなく刀を抜いたのだった。意外な展開に無頼漢自身もびっくりしたが、綱の抜いた刀には錆が浮かんでとても人を切れるような代物ではないことを見ると嘲笑の笑みを浮かべた。
「そんな刀で俺が切れるってか。ガキの癖にいきがるんじゃねえよ。悪いことは言わねえ。芋を置いてさっさと失せろ。さもねえとてめえの命がねえぞ!」無頼漢はそういって凄んだが、綱が一言もしゃべらないのをみてますます調子に乗ってきた。
「なんだ、刀抜いたはいいが、恐ろしくなったか。まさか小便ちびってんじゃねえだろうな。ああ臭え、臭え! こんな臭えガキは始めてだぜ。てめえなんざ、肥溜めがお似合いだ、そうは思わねえか、皆の衆!」
無頼漢はそう言うと周りを取り囲んでいる聴衆に声を掛けた。何人かが卑屈な笑いを浮かべた。それを見た無頼漢は満足げに綱の方を振り向いた。その瞬間だった。綱は手に構えていた刀で無頼漢の顔を突いた。その切っ先は見事に無頼漢の目を抉っていた。思いもかけぬ攻撃を食らった無頼漢はだらだらと血が噴き出る目を押さえて、人が変わったように喚き声をあげて一目散に逃げていった。無頼漢が逃げていくのを見た綱は、何事もなかったかのように芋を拾って再び歩き出した。悠然とその場を去る綱の背中を、周囲のものたちは唖然とした面持ちで見守っていた。
その噂が広まると、綱は喧嘩に明け暮れるようになった。そうした日々は決して綱が望んでわけではなかったが、己の威勢を誇りたい無頼漢や悪童どもが勝手に綱に挑戦してくるのだった。綱の剣技はそうやって覚えたものだった。師匠などいなかった。仲間もいなかった。勝つか、負けるか。生きるか、死ぬか。その繰り返しの中で自然と身につけたものだった。そうして綱の名とその強さは、都中に噂されるようになっていった。
だがこの時代において綱のような下民が出世するには、芸に秀でること以外に手がなかった。もちろん芸というのは和歌の才、音曲の才、文章の才のことであり、武芸などというのはある意味、見世物芸のようなものであり、いくら腕を磨いたところで何の意味もなかった。綱は剣の腕が上がるにつれて、そういうことを肌身で知るようになっていき、ますます己の力のみを頼るようになっていった。そして、いつしか綱はかつて自分が倒した無頼漢とさして変わらぬようなすさんだ男になっていた。
ある日の宵のことだった。通りすがりの旅人からふんだくった金で贖った酒を飲みながら通りを歩いていた綱は、男が一人こちらに向かって歩いてくるのが見えた。その男は腰に刀を差していたが、共も連れず歩いているところを見ると、どこかの貴族の家人かと思われた。いささか酔っていたこともあり、またやり場のない鬱憤がたまっていたこともあって、綱はさして強そうにも見えぬ男が小奇麗な衣装を着て、生意気に刀を帯びているのがなんとも気に食わず、この男に喧嘩を吹っかけてやろうと急に思い立った。そう思った綱は肩を怒らせ、わざとその男をぶつかるように大路を歩いていったが、その男も道を譲るつもりはないとばかりに、そのまますたすたとこちらに歩いてきた。綱は男を睨みつけながらどんどん近づいていったが、自分よりも幾分年上かと見えるその男は綱と視線を合せるでもなく、まるで綱が見えていないかのように歩いてきた。
二人の肩がまさにぶつかろうというところまで近づいた時だった。すれ違いざまに思いっきり肩をぶつけて因縁をつけてやろうと思っていた綱だったが、急に足に何かが引っ掛かって地面に倒れていた。一瞬、何が起こったのかよく分からなかったが、すれ違いざまに男に足を払われたことに気づいた。だが、その男は何事もなかったかのように、後ろを振り向くこともなく、そのまま立ち去ろうとしていた。
「ちょっとまて、貴様!」
綱はすぐに立ち上がると、血相を変えて男の背中に向かって猛り声を上げた。男はその声を聞くと、ようやく綱の存在に気づいたように後ろを振り向いた。
「――なんだ、何かようか?」
「何かようかじゃねえ! てめえ、人をおちょくりやがって。勘弁ならねえ! その腰に差したものを抜け、ぶった切ってやる!」
綱は酔いと無様に転ばされた恥ずかしさのあまり、思わず刀を抜いていた。それを見た男は困ったような顔で諭すように言った。
「お前は酔っているようだな。そんな様で刀を抜いても怪我をするだけだぞ。せっかくの命をこんなところで無駄にすることもあるまい」
「てめえ、まるで自分の方が腕が立つとでも言わんばかりだな。いったい俺を誰だと思ってやがる。最近、都で騒がれている渡辺綱を知らねえのか!」
綱は男のなんとも冷静な口調にも腹が立ち、腕をまくっていきり立った。それを聞いた男は初めてにやりと妙な笑みを浮かべた。
「おお、お前が最近、都の悪たれどもの頭となって散々悪さをしている渡辺綱というものか。検非違使たちの間でも随分噂になっておるらしいぞ。いい加減に悪さをやめぬと、七条河原にその首を晒す羽目になるやもしれぬぞ」
綱は男の言葉を聞くと、ふんと鼻で笑った。
「検非違使がなんだというのだ。あんな案山子みてえな奴らが何人掛かってこようと、一人残らずぶっ殺してやるわ」
「そうか――だが、そんなことをすればお尋ね者となって、いつか誰かに寝首を掛かれて売り渡されるのがおちだぞ。そんな生き様ざまではつまるまい」
「生きていたところでなんだというんだ。こんな都で生きていたところで何の希望がある。ならば、好き勝手に生きた方がましではないか! 強ければ出世はできなくても食っていける。俺はこの都で天下一の男になって、斬って斬って斬りまくって、最強の男になって生き延びてやる」
「――そうか」
男はそう言うと綱をじっと見つめた。その顔はさきほどまでの穏やかな面持ちではなかった。怒気を備え、悪鬼を踏みつぶす不動明王の如き面相であった。
「今のお前のような心持では、この先大事をなすこともあるまい。これも何かの縁、俺がお前に引導を渡して冥途へ送ってやる」
そういうと男は腰から刀を抜いた。その刀は綱の刀のようにさび付いてはおらず美しく光っていた。
「さあ掛かってこい。その腐った根性ともども叩き切ってやる」
「さっきから、いちいちうるせえんだよ!」そういうや綱は男に打ち掛かっていった。
誰に学んだわけでもない綱には構えなどなかった。ただ敵をよく見て、ほんのわずかな隙をみつけて打ち込むだけだった。それしかなかった。だがそれで十分だった。刀を交えた相手は誰もが自分の命を心のどこかで惜しんでいた。だが綱は自分の命などどうでも良かった。負けたら死ぬ、ただそれだけのこと。それを当然のように思っていた。だからこそ綱の剣は速かった。一瞬の隙さえ見逃すことはなかった。だが今日はいつもと違っていた。酔いと怒りが綱の心から冷静な判断を奪っていた。薄氷の上で勝負を決するようないつもの心持を失っていた。それはいつもの綱の剣ではなかった。生死を懸けた必殺の剣ではなかった。果せるかな、綱の剣は悉くかわされていた。
「どうした。それで終わりか」
「さっきは大層なことを言っておったが、そんな様では検非違使一人倒すことはできぬぞ」
「好き勝手に生きたいのなら、もっと力をつけんでは犬猫にも勝てぬぞ」
剣を交わされるたびに、男の言葉が耳に飛び込んできた。
「うるせえ! うるせえ!」
綱は無我夢中で刀を振るった。確かに少しは酔っていた。いつもの自分ではないことは自分が一番分かっていた。だがそれでも自分の太刀筋がそれほど遅いとは思わなかった。それ以上にこの男の身切りは人の域を超えていた。綱が振るう刃のわずか一寸にもみたぬ間でもって、悉くかわしているのだった。
「うるせえというなら、俺の口を黙らせてみろ! こんなものか、お前の力はこんなものか! こんなものだったら糞の役にも立たん。せっかく綱という強い男がいると聞いて、ここまできてみたがただの無駄足だったようだな!」
「うるせえ! うるせえ! うるせえ!」
「いいか、今のお前の力など、しょせんこんなものだ。こんな程度で天下一を目指すなど片腹痛い。そろそろこちらから行くぞ、自分がどれほど未熟かその身をもって思い知れい!」
そういうや、今度は男が剣を振るい始めた。それは綱がこれまで見たこともないほどになめらかな動きだった。その体はまるでゆらゆらと揺れる水のようだが、まさに変幻自在、綱は男の動きについていくことができなかった。着物を着られた、小手を斬られた、鬢を斬られた、胸を斬られた、腿を斬られた。男はまるで綱をいたぶるように刀を振るった。何もできなかった。防御すらできなかった。ただ一方的に斬られるだけだった。
綱は初めて知った、自分よりもはるかに強いものがいることを。そしてその男に今まさに殺されようとしていることを。弱ければ死ぬだけ。ずっとそう思ってきた。だが自分がこんなにも弱いと知り、死を目の前にしたとき、はじめて恐怖が沸き上がった。斬られる、殺される、身の内に生じた恐怖が綱の体にあった酒気と慢心を消し去った。死にたくない! その思いが最後の一刀を振らせた。その一刀はこれまで放った一刀より、はるかに速かった。
その一刀は見事に男の頬に届いていた。男の頬から血が一筋垂れていた。だが綱にはそれが精一杯だった。綱ははあはあと荒い息を立てて男の前に膝をついた。男はそんな綱に優しく語り掛けた
「綱よ、生死を超えたところに本当の強さがある。だが、それを手にするには生を知らねばならん。死の恐怖を知らねばならん。それを知らぬうちは本当の強さを手にすることはできん。確かにこの世界は非情だ、不条理だ、だがそうだとしても、お前はこの世界で生きている。どうせ生きざるを得ないのならば、誇りをもって生きろ。天下一の男となると決めた自分に誇りを持て――綱よ、俺には夢があるのだ。俺はこの世を変えてみたい。俺の手で変えてみたい。誰もが生きがいをもって生きれる世界をつくりたいのだ。誰もが熱く生きられる国にしていきたいのだ。どうだ綱よ、私と共に戦ってみぬか。命を燃やしてみぬか。そのために命を懸けて、生きてみぬか」
綱はそう語る男を見上げた。その男の目は光り輝いていた。生まれて初めて見る光だった。綱の中で何かが崩れ、何かが生まれていた。こうして綱はそれ以来、頼光に忠誠を誓うこととなったのだった。
頼光の配下となった綱は、今までの自分をかなぐり捨てるように剣を学んだ。もともと剣の才があった綱であったが、既に天下にその名を知られていた頼光に手ずから教えてもらえることは綱の才を一気に上達させた。もちろん頼光の稽古は容赦なかった。同輩の家人たちも腕自慢のものが多かったが、頼光の前ではただ打たれるばかりで、一手二手手合わせするだけで腰も立たぬありさまだった。だが綱だけは何度打たれても、もう一度もう一度と立ち上がった。晩方になるころには体中傷だらけ痣だらけ、腕も足も痺れ、腰も立たぬありさまだったが、それでも次の日には、誰よりも先に手合わせを所望した。そうした日々が一年、二年と過ぎるうちに、いつしか綱は頼光と肩を並べるほどに強くなっていった。
だが強さを極める道は果てしがなかった。強くなればなるほどそこに辿り着くことの難しさに愕然とするのであった。強ければ生き、弱ければ死ぬだけ。その思いはいささかも変わってはいなかったが、強さとはいったいなんなのか、その思いもまた綱の心の中で次第に大きくなっていたのだった。
ある日のことだった。頼光は綱を居間に呼ぶと、綱の前に一振りの刀を置いた。そして、綱にその刀を与えると言うのだ。その刀はこれまで綱が持っていた刀などとは比較にならぬほどの業物であり、到底、家人の一人にすぎない綱が持っていいような品ではなかった。だが頼光はそんなことにはなんの頓着もないと見えて、淡々と続けた。
「綱よ、お前はここに来て本当に強くなった。もはや俺がお前に教えられることは何もない。これからはお前自身でその才を高めていくがよい。これはその門出の品だ。名を髭切の太刀といい、代々我が家に伝わる宝刀で、切れぬものはないという天下に並びなき名刀だ。そなたもこの刀に負けぬように、天下にその名を轟かせるがよい」
それを聞いた綱はあまりのことに仰天した。お家に伝わる代々の重宝をこんな自分に与えるというのだ。綱は頭を床にこすり当て、そして叫んでいた。
「殿! 殿は卑しい我が身を拾いあげてくださいました。そして、この身に巣くっていた腐った根性を叩き切ってくださいました。私は殿のおかげで、自分というものを見つめなおすことができました。強さとはいかなることか、いささかながら分かりかけてまいりました。私の剣などいまだ殿の足元にも及びませんが、必ずや殿のご期待にこたえてみせます。必ずやこの刀に見合う男になってみせます。天下にその名を轟かすほどの男になってごらんに入れます」
頼光は、目の前で平身低頭しながら肩を震わせて叫ぶ綱を見ると、にこりと笑った。
「綱よ、そなたという男を得たことは俺にとって何物にも代えがたい果報であった。綱よ、そなたなら天下一の男になれる、天下無双の男になれる」
頼光はそう言うと何かを思うように一度口を閉じた。
「……天下無双、俺の中にもまだどこかにそんな思いがくすぶっている……だが、今はそれよりも別な思いが沸き上がってきてしょうがないのだ。俺は新しき世を作りたいのだ。侍も百姓も男も女も生き生きと生きていける、そんな世を作りたいのだ。その思いの方が強いのだ。だがそうした世を作るためには、俺だけの力だけでは叶えることができん。同じ夢を持つものたちが集まらねば、同じ想いを持つものたちが力を合わせねば到底叶えることができんのだ。綱よ、俺と一緒に歩んでくれ、そなたと一緒であれば、俺はやれる気がするのだ」
綱は顔を上げると、赤く腫れた目で頼光を見た。頼光の顔にはなんの屈託もなくただ童のような笑みだけがあった。その顔を見ているうちに綱の顔にも笑顔が浮かんできた。
「……殿、私には夢がありませんでした……ですが、ここで殿とともに過ごすうちに私に二つ夢ができました。一つは強さとはなんであるか極めてみたいという夢でございます。そしてもう一つは殿が作ろうとなされる国を見てみたいという夢でございます。この命は既に殿に差し上げております。殿の夢を叶えるために、どうなりとこの命お使いください。殿の夢を叶えるためならば、どんな労も厭いません。殿の夢を遮る輩がおれば、どんな大敵であろうと、必ずや斬ってごらんにいれます。殿、この綱、ようやく生きている理由が分かった思いがいたします」
二人の顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。もはや二人の間に言葉はいらなかった。夢のために生きる、夢のために死ぬ。それが強さを追い求めた二人が辿り着いた答えであった。
