今日はこの方のコメントです。
「長編は熱意が続かないので書けません!!
でも長いからこそ、キャラやイベントにも深みが出てくるんだろうなと思うと、憧れはあります。みなさんモチベーション維持はどうしてるんでしょうか。大まかなプロットとかオチを作った上で肉付けをするのか、筆の勢いに任せて進めていくのか」(Kさん)
Kさんのようなコメントは結構たくさん頂いた気がします。
このコメントのとおり、熱意が続かないと長編って書けないんですよ。
まあ、大抵エタるような気がします。
技術的なところは、以前やった「長編の書き方」特集で書いたので僕の考えはそちらを見ていただければと思いますが、やっぱり一番はモチベーションなんですよね。
僕の経験からすると、最初と二つ目の長編は相当苦労しました。
明日から、来週から、来月からと自分に言い訳して、結局、数か月も放り投げていたことがありました。
ただそれは小説を書くことすら初めてだった僕にとって、いきなりの長編はあまりにも荷が重かったというのがあります。
その荷の重さに耐えられず、とりあえず、短いものを書いてみようと思って書いたのが、「田舎暮らし」という一万字ちょっとの短編でした。
でも一つ完成させることによって、なんだか自信が出て、その後どうにかこうにか書きかけだった長編二作を書き上げることができました。
だからまず言いたいのは、いきなり長編を書くのは相当難しいので、短編から書き始め、まずは書き上げるという成功体験を積み重ねることが大事じゃないかということです。
でも意外と小説を書きたいって思う人の大半は、キャラがたくさん出てくる群像劇や面白い映画を見たり読んだりして書きたいと思い始めるんじゃないかと思うから、やっぱり長編を書いてみたいって思うんだろうなとは思います。
なので、まずは書き切れるかどうかなんてことは考えず、書いてみたらいいんじゃないかと思うんですよね。
そうして書き始めることで、その大変さがリアルに分かってくる。
やっぱりもっと勉強しなきゃだめだ、もっと短いものから始めよう、そう思い始める。
そして原稿用紙50枚、100枚、200枚と段々と作品のボリュームを大きくしていく。
そういうことを繰り返してようやく、10万字程度の長編を書くことの、ある程度の見通しみたいなものが頭の中で組みあがっていく。
僕は今では短編を書く方が難しいなと感じていて、少なくても10万字はないと僕の書きたい物語は書けないなと思っています。
そう考えると、やっぱり書くことによってその文量に慣れることが一番の早道なんだろうと思います。
ということで、まずは筆を走らせてみてはいかがですか。それが短編で終わるのか、中編までいくのか、大長編になるのか、意外とそういうことを決めないで書くのも楽しいかもしれませんよ。
書いたことは無駄にはなりません。
僕から言わせれば、途中だと言い張れば、それはエタってはいないと思う。
某バスケ漫画のセリフじゃないですけど、諦めたときが終わる(エタる)ときなんだと思います。
自分の人生を考えれば、一年二年、いや十年くらいかけて完成させる小説があってもいいんじゃないですか。
そんな楽な気持ちで書き始めればいいんじゃないかと僕は思います。
※ このエッセイは、かつて僕がカクヨムという投稿サイトで活動していた際に書いたものを掲載していますので、現在の実態とそぐわないことがあるかもしれませんが、その点についてはご容赦ください。