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素人作家がどこまで面白い小説を書くことができるか

【泣ける感動小説】『42.195㎞』

 

 

はじめに

 この作品はカクヨムという小説投稿サイトで活動していた時に書いた中編小説です。毎日書きながら投稿するという連載小説の形で始めて書いたものですが、その粗削り感、疾走感が逆に良かったのか、本当にたくさんの方からレビュー、コメントをいただいたものでした。
 今回、その時の作品を少し加筆訂正していますが、基本的な構成やテーマはいっさい変えていませんので、カクヨムで既に読まれたかたも、はじめてのかたも、どうぞ、ご覧ください。

 

 

本編

 (一)

 マラソンは人生に似ている。
 スタートすると、もっと早く、もっと早くと、自分のペースなどお構いなしにとにかく前に走りたくなる。少し経つとだんだんきつくなってくるが、それでもなんとか必死にくらいついて前に進もうとする。しかし半分を過ぎる頃には自分の実力が残酷なくらい走りに反映されてくる。
 42.195キロ先のゴールを最後まで颯爽と走りきれる選手がどれだけいるんだろうか。人生をそうやって走りきれる人間がどれだけいるんだろうか。

 俺の足は完全に止まっていた。走ってるなんてもんじゃない、完全に歩いている。いや、歩いているとさえ言えないかもしれない。ただ足をひきづっているだけだ。とにかく足を前に出すのが辛い。動かすだけで痛みが全身を襲う。フルマラソンというものを走ったことがない人には想像もつかないだろう。ただ進み続けるだけということが、どれだけ辛いかということを。

 

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 (二)

 俺の机の隣に上村芙紗子っていう三十ちょい過ぎの女性事務員がいた。半年前に入ってきた子で、バツイチだけど結構かわいい子だった。彼女が入ってきたときだけは俺もかなりテンションがあがった。ある日、事務室に誰もいない隙を見計らって、勇気を出して食事に誘ったら、彼女は少し考える風だったが、すぐにいいですよってOKしてくれた。その時は本当に夢でも見ているようだった。

 そのあと、一緒にしゃれたレストランにいった。彼女の気に入るような話題をふって、それなりに会話も弾んだ。そんなに悪い雰囲気でもなく、いい感じだと思った。その後、何度か仕事帰りに居酒屋にいったり、お好み焼き食べに行ったりして、彼女との距離を縮めた。徐々に手応えみたいなものを感じていたので、何度目かの食事のときに覚悟を決めて、今度の休みに二人でどこかにいかないかって誘った。

 

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 (三)

 翌日、俺はマラソン大会に申し込んでいた。走り切れるかとかそういうことはあまり考えかった。ただ何かを変えたかった。このまま何もしないでいたら、俺の人生は本当に蟻地獄にはまった蟻のように、ある一点に向かって落ちていくだけだと思った。それが絶えられなかった。

 仕事帰りにスポーツ店に立ち寄り、新しいランニングシューズを買った俺は、家に帰るとすぐに走り始めた。新しいシューズに紐を通して履いてみたら無性に走りたくなったってのもあったが、いくら俺だって、ほとんど走ったこともない奴がいきなりフルマラソン走るってのが無茶だってことぐらいはわかっていた。マラソン大会まであと三か月しかない。その間にしっかりトレーニングしなきゃ、到底走り切れないだろう。やるからには走り切らないと意味がない。完走もできないようなら、わざわざ走る意味なんてない。

 

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 (四)

 職場では走ることは黙っていた。
 特段、理由があったわけではないが、なぜかしゃべりたくなかった。形だけ言えば、単に市が主催するマラソン大会に出るだけのことで、他人にしてみればどうということもない。凄いなとか頑張ってとか何かしら言葉はもらえるだろうが、単にそれだけのことでしかない。

 でも俺にとってこのマラソンはそんな軽いものじゃなかった。いわば、自分が生まれ変わるための儀式であり、自分の人生をかけた挑戦だった。そんなこと誰にも理解できないだろうし、理解してもらいたくもなかった。

 

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 (五)

 翌日、いよいよ大会を明日に控え、最後のランニングのために家を出た。体をほぐしながら、いつものスタート地点に立ち、時計をセットして一気に走り出した。
 本番と同じ長さの42.195キロのコースは幾度も走っていたので、今日は体をほぐすことを目的に、敢えて軽めの10キロのコースを走り始めた。

 だが、高ぶった体は体をどんどん前に押しやり、気づけば全力で走っていた。いつか見たあのランナーのように、ただ目の前だけを見つめて走った。目の前の先にある何かを追い求めるようにがむしゃらに走っていた。

 

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 (六)

 レース当日、俺は五時に目を覚ますと、親父とおふくろを起こさないよう静かに家を出た。
 玄関を出ると、朝日が東の空に浮かび、真っ青な空を美しく照らしていた。見慣れているはずの庭木も草も花もなんだか別なもののようにキラキラと煌めいて、地面に転がっている石ころですら宝石のように光り輝いていた。
 俺は空を向いて大きく息を吸った。うまかった。空気ってこんなにうまいものだったかと思った。俺は自然と顔が綻んだ。天地が俺の挑戦を祝福しているように感じた。

 会場には、すでにたくさんの人が集まっていた。俺は受け付けを済ませると、会場の端っこの方に小さなレジャーシートを敷いて腰を下ろした。受け付けのときにもらった袋を開けると大会パンフレットやらゼッケンやらがごちゃごちゃ入っていた。
 パンフレットを見ると、男子フルマラソンに参加するのは、1,588人と書かれていた。女子を含めると、二千人近い選手が参加しているようだった。

 

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 (七)

 ランナーが一斉に走り始めた。
 三千人を超えるランナーが参加する大会ともなると、スタートラインを超えるのにもかなり時間がかかる。しばらくは動くことすらままならない。俺の周りもほとんど進むことができず、のろのろと歩きながら少しづつ進んでいった。

 俺は早く走り出したくて、うずうずしていた。徐々にペースが上がり、周囲にスペースができ始めると俺は群衆を縫うように走り始めた。

 初めてってのはついつい勢いが余ってしまうものだ。
 でも、そりゃそうに決まってる。ずっと待ち焦がれていた舞台に立てたんだ。ようやく自分の力を発揮できる時が来たんだ。俺の周りにいるやつら、こいつらがどんなに走ってきたか知らないが、俺だって、結構練習してきた。

 

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 (八)

 10キロの表示を通り過ぎた。
 時計を見たら、35分を切っていた。自己最速のタイムだった。だけど、これは完全にオーバーペースだった。
 ここがゴールならこのタイムで大いに満足したろう。だが、今日はフルマラソンだ。ゴールまでまだ30キロ以上残っていることを思えば、到底、こんなペースで走り続けることはできなかった。

 俺はペースを落とさざるをえなかった。だが、出だしでペースを上げ過ぎたつけが体に出始めていた。限界に近いペースで走ってしまったことで疲労が筋肉に蓄積されていた。あれだけ軽かった足が妙に重くなっていた。
 だが俺は必死に足と腕を動かして、走り続けていた。
 そんなときだった。不意に後ろから足音が聞こえてきた。

 

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 (九)

 スタートしてから、1時間15分が経過していた。
 空は快晴で雲一つなかった。その中を太陽がじわじわと昇っていた。太陽は容赦なく、地上を照りつけていた。あたりに漂っていた夜露がどんどん蒸発し、温度がどんどん高くなっているのが皮膚の感覚で分かった。
 汗が吹き出し始めていた。
 その汗はスタート前の爽快な汗とはまるで違って、べとべとと肌にまとわりついていた。

 18キロの地点に給水コーナーがあった。
 俺は走りながら、水を含んだスポンジを掴むと、そのまま顔や首に押し当てた。スポンジに含まれた水がだらだらとシャツの中にこぼれ落ちた。スポンジだけでなくスポーツドリンクも掴んで浴びるように口に流し込んだが、喉に入ったのは半分ほどで、残りは喉からそのまま胸元へしたたり落ちていった。
 俺のTシャツはべちょべちょになったが、そんなことはどうでもよかった。

 

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 (十)

 ようやく30キロの看板が見えた。
 足が丸太棒のようで曲げることさえままならなくなっていた。とにかく足が重くて、足をちょっと動かすことすら辛かった。それでも、どうにかこうにか足を動かすのだが、足が地面に接するたびに、足裏を金槌で叩かれるような衝撃に襲われた。足はギシギシと軋み、筋肉は金属のように硬直していた。もはや、歩くことすら難しくなっていた

 太陽は天中に昇り、日差しはさらに強くなっていた。髪を触ると熱いくらいになっていた。頭皮からも汗が吹き出し額の汗と混じって、顔面を流れ落ちた。
汗が目の中に頻繁に入るので、なんども手の甲や腕で拭ったが、手の甲も腕も汗びっしょりで、拭うどころじゃなかった。
汗が目に沁みて痛かった。

 

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 (十一)

 俺は、ずっと走り続けていた。
 体中が悲鳴をあげていた。一歩進むたびに足に激痛が走った。体中から汗が吹き出し、もはや全身びしょ濡れだった。俺は汗をたらし、鼻水をたらし、よだれを垂らし、涙を流して走っていた。
はああ、はああ、と死にそうな声を出しながら、ぶつくさと何かをしゃべりながら、俺は走り続けていた。

 

 はああ……はああ……ちくしょう、苦しいよ……はああ、はああ……なんでだよ……はああ、はああ……なんで、こんなに苦しんだよ……はああ、はあああ、はああ……まだかよ……はああ、はああ……なんで、こんな長いんだよ……はああ、はああ、はあああ……長すぎるだろ……

 

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 ゴール、そしてその先へ

 角を曲がると40キロと書かれた看板が立ってた。その40キロという文字を見て、俺は一瞬、立ち止まった。
 40キロ、絶対に無理だと思っていた世界にたどり着くことができた気がした。一度は諦めた。でも、必死になって進み続けて、今までの俺だったら絶対に届かなかったものに手が届いたような気がした。
 その時だった。

「先輩! 頑張って!」

 喧騒の中から聞き覚えのある女性の声が大きく響いた。俺は思わず、その声の方を振り返った。
 そこには、いるはずのない女性が立っていた。
 職場の同僚の上田芙紗子が旗を振って、必死に俺を応援していた。俺は何か幻でも見ているようだった。だが、その女性は紛れもなく、俺が思いを抱いていた上田芙紗子だった。

 

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読者さまからいただいたコメント

 

 ここからは、これをカクヨムで投稿した時にいただいた読者様からのたくさんのレビューやコメントの一部を紹介させていただきます。

 

 ★100個は投げたい
 文章量は1万5000字にも満たない短い小説です。中編、あるいは短編に分類される小説ですが、たったこれだけの文字数しか使ってなかったのかと驚嘆しました。この、あまりの感動に!! 短いからこそ、主人公の疾走感を感じならこの小説を読了できたのかもしれません。 この疾走感、この感動を是非他の人にも味わっていただきたい。web小説を読んでここまで泣きそうになるのは久々でした。(Iさん)

 

 プロの書いた物語。まるで本屋で販売されている文庫本を読んでいるようだった。冒頭から身につまされるように引き込まれた。中盤の走りに目覚めていく様子は、読んでいるこちらまで魂が解放されていくようで素晴らしい。三浦しをん著の『風が強く吹いている』が好きな人は、『42.195km』にも通ずるものがあると思う。(Kさん)

 

 まずはご注意点から。 ・・読書中、涙、鼻水が止まらなくなるおそれがあります。通勤電車内等でのご利用はくれぐれもご注意下さい。 私は泣きました。鼻をぐすぐすさせながら。通勤電車のなかで。 不審な眼差しを向けてくる皆さんに私は伝えたかった・・ 「貴方も、是非読んでみて下さい。さすれば私に生じているこの現象が一気に氷解するはずですから」 と。 人生はマラソンに似ている。 フルマラソンを走った経験がない私にはその言葉を発する資格がありませんが、でも強く共感してしまいます。 閉塞感に囚われたとき、えいっと踏み込んでみると、思ったとおりの困難が待ち構えていて、でもなんとかしてその困難を乗り切ると、ぱあっと予想もしなかった展開のなかに居た、そんな経験は身に覚えがあります。 この作品は、そんな『突き抜けていくような体感』をリアルに再現してくれるように思います。 どうぞ、ご一読を。 ただし通勤電車の中では 自己責任ですよ?(Jさん)

 

 初めてこの作品を読みましたが、シンプルなストーリーなのに読む側をグイグイと引き寄せる単純明快かつ心理描写の巧さもあって、一気に読み切ってしまいました。 自分の中の何かを変えるきっかけ・・この作品ではそれがフルマラソンですが、何度も止めようという誘惑があって、そこで止めてしまうことができたものの、そこでめげずに走りきったおかげで自分の中に自信が生まれ、そして気になっていた彼女までもゲットしてしまうなんて・・。 人生、何もしなければ平和だけれど、何かに挑戦することは苦痛をともなう。けど、あえて挑戦し、乗り越えることで手にするものがある・・この作品はそのことをストレートに伝えていると思います。 読んでいる自分も勇気をもらった気がしました。(Yさん)

 

 もうね……感動して泣きました(嘘じゃないですよ)物語だと分かっていても自分を重ねていて、主人公が苦しみの中を進むのが本当に胸に熱くて……。私は根性があるタイプでも無いので無理だと判断すると諦めてしまう部分があるんです。だから苦しさの中で主人公が考えている言葉が本当に良く理解できて……。それを乗り越えたところでもう涙目でした。意中の女性が居る訳ではないですが、主人公が最後に報われるのを見たらどっと安心してお恥ずかしい話ですが少し涙が出ました。ぶんちくさん……描写も演出も、巧みすぎです。(Aさん)

 

 素晴らしい物語でした。願わくば、長編で読みたかったです。2話を見たときに心を射抜かれましたが、この物語が7話しかないことに気づいて、早すぎる、と思いました。最初に読んだ感想は、長編にして、しかるべき新人賞に送れば、受賞する物語だと思いました。ただ読み進めるうちに、あまりにも上手でしたので、元々業界でプロとして創作をしているんだろうな、と判断しました。著者名を教えてくだされば、買わせていただきます。(Kさん)

 

 持続する気持ちと乱高下する神経と並々ならぬテンションで充ちた内容を、迫力そのままに文学に纏め上げ昇華する作者さんの技量に拍手です。(Yさん)

 

 36歳、独身。彼女もおらず鬱々とした毎日。自分を、人生を、なにかを変えたくて挑んだフルマラソン。高揚感。自信。苦痛。諦め。そして――。あと少し、もう少し、そこの角まで、次の角まで。走って転んでたどり着いた、その先にあるものは。読後感が素晴らしく気持ちいいです。勇気と元気をもらえる物語。ぜひ読んでみてください。(Nさん)

 

 人生失敗した! つまらない人生だった! 自分が死んでも何も残らない! それってきっと何もしていないからだと思う。そんなことを気付かせてくれる素敵な作品です。42.195kmを走ったからといって何があるのか。何もないかもしれない。でもどうせだったら何かした上で嘆く方がいいはず。はたして、このお話の主人公に待っていたものとは!?(Tさん)

 

 マラソン42.195キロ。まさに人生のようですね。まるで川の流れに逆らいながら、ボートを漕いでゆくかのような男性的な力強さを感じました。ぶんちくさんは男らしい方なのだろうと想像します。かっこよくないようでいて、すごくかっこいい。面白い小説を読ませていただいて、本当にありがとうございました。(Hさん)

 

 途中で挫折することもあるでしょう。投げ出したくなることもあるでしょう。しかし、それでも続けることに意味があることをこの物語は教えてくれます。 言いたいことがこの長さにギュッとまとまっていることに感動を禁じ得ません。読み終わった後の余韻を是非味わってもらいたい一作です。(Kさん)

 

 この作品を読む時、私は自分のことが主人公と重なりました。置かれた環境や人生の悲観などかなりの部分に共感する自分が存在したのです。物語の主人公はふとしたことからマラソンへの挑戦を始めました。全てを忘れただ走りたくなっただろうマラソンは、やがて主人公に試練と己を省みる機会を与える。私には主人公が苦痛の中で葛藤する姿が人生の縮図に感じた。人生は辛く、しかし己との戦い以外の何ものでもない。  そんな中で挫けぬのは、背負う意地と支えてくれる存在が大きな意味を持つ……。まさに主人公の道は人生に似ていたのです。心理描写の見事さは作者様の巧みさに由るもの。読んで損をしない短編が此処にあることを皆さんに知って欲しい。(Aさん)

 

 30歳半ばで夢もなく、ここ1番の恋にも破れ、毎日を惰性で生きてる主人公。そういう人は、魅力がないのは当然かもしれない。 だけど人生を変える転機はこういう人にも訪れるのですね。 主人公は見過ごしてしまいそうなただ一枚のマラソン大会のチラシを見た日の帰り、偶然にも颯爽と走るマラソンランナーを見た。 こういうくだりから始まる主人公の人生への再チャレンジを42.195キロの道のりの中で描いてます。 主人公の息遣いが迫真に迫り、苦しさとの心の葛藤までのすべてを書き上げているところが、とても素晴らしかったです。最後のシーンは感動モノです。(Yさん)

 

 人生に躓いている方、何かを変えてみたい方、明日に希望が持てない方。 色々な方にこの作品を読んで貰いたいです。 走って、挫折しかけて、それでも走る主人公の姿に沢山の力を貰えました。 主人公に共感できる所が色々あって、読んでいて情緒がどたばたと騒がしくなって、後半はほぼ泣きながら読んでいました。 語彙力の無いレビューで申し訳ないのですが、間違いなく名作です。 是非とも皆様ご一読を。(Kさん)

 

 代わり映えのしない毎日。 漠然とした未来に対する悲壮感。 毎日をただ生きるのみの男の、ある挑戦の話。 なんてことのない僕たちだからこそ、彼の挑戦に胸を打たれます。 だって、僕らは彼と同じだから。 明日を、なんて事のない明日を、生きようと思えさせてくれる、そんな素敵な作品です。是非、ご一読下さい。(Aさん)

 

 非常事態宣言で外出自粛の中、布団に入りながら何気なく読み始めました。まずは作者の読ませる文章力に引き込まれました。それからマラソンの世界に連れて行ってもらいました。書きながら考えたというストーリーですが、前のエピソードが後からきっちりとつながっていきます。 介護が必要になった父親と家族、好きだった女性、小説の中でみんな生きていました。 名作だと思います。(Sさん)

 

 読書っていいものですね。一度読むとまるで本当に走っているかのような感覚に陥ります。すごく希望の持てる作品に出会いました。作者様の力量に茫然とします。(Iさん)

 

 

あとがき

 たくさんの方から、本当に身に余る評価をいただきましたが、何よりうれしかったのは、多くの方から感動したと言ってもらえたことでした。
 それは僕が物語を書く最も大きな理由でもあります。
 人に感動を届けたい。
 人生には意味があるんだってことを伝えたい。

 人生って、本当に厳しいです。なんのために生きているんだろうと、この年になっても思います。
 だけど、それは自分自身が探し続けるしかないんだと思います。
 でも、その先にはきっといいことが待っている。僕はそう信じています。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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